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「彼女の嘘と彼の苦悩 side S」
2015年04月04日 (土) | 編集 |
意外に難産でした。一人称が混在しているのはわざとです。



「彼女の嘘と彼の苦悩 side S」





妻と娘をこよなく愛す、普通の中年男、椹武憲42歳。
ただ一つ特殊なことといえば、勤めている会社の社長が変わり者ということだけだろうか。
LMEという業界きっての芸能事務所でタレント部門主任の地位にある私だから、変わり者は見慣れているつもりだ。が、それを抜きにしてもうちの社長は群を抜いて変わっていると思う。
その変人社長が創設したセクション、ラブミ-部をまかされたのは成り行きだった。
そう、彼女と出会ったせいかもしれない。
私がラブミー部員の一人、最上キョーコという爆弾娘と出会った時は正直、彼女がここまでのものになるとは思っていなかった。
私が見出だし(脅されただけだが)、一応直属の上司としては嬉しい誤算である。



「ねえ、椹のおじ様。お姉様、明日は空いてるかしら?
とある日、変人社長の孫娘、マリアちゃんが尋ねてきた。
このマリアちゃんはなぜだが最上君を「お姉様」と呼び慕っているようだ。少し前まで問題を起こしていたが今は嘘のように落ち着いているらしいのだが、それが彼女のおかげなのだと社長が感謝していた。あの社長がだ。ほんとに凄い影響力だ。
「確か明日は最上くん、北海道だ」
「なんだあ、残念。学校お休みだから一緒に遊んでいただきたかったのに」
そんな会話をした夕方、なぜか社くんからも電話がかかってきて同じことを聞かれた。
「ああ、明日は北海道だ」
『それ、なんの仕事なんですか?ラブミー部ですか?』
やけに詳しく突っ込むなと思いながら「坊」には触れないように、触れないようにと慎重に答える。それが悪かったのか、どうにも言葉に詰まってしまう。普段通りの対応ができなかったが、ちょうど内線がかかってきたのでそれ以上は追及されなかった。
(うーん、上手くごまかせたかな?しかしなんで、社くんが最上くんの予定を知りたがるんだ?)
社くんは俳優、敦賀蓮のマネージャーをしていて、若いながらも人気俳優をしっかりサポートしている。蓮も社くんの支えで俳優として更に磨きがかかったと評判だ。
その彼がなぜ新人タレントの動向を気にするのか。しかも部門違いのまだまだ駆け出しの彼女を。
(なんだかおかしいな……)
胸騒ぎを覚えながらも他の仕事に没頭していた。




そして今日の仕事も無事終わり、そろそろ家に帰ろうかと思っていたその時、悪魔、いや魔王が俺の前に現れた。
(なんだ?急に寒気が……。風邪でもひいたか?)
「早く帰って休まない……っと、ん?蓮、どうした?」
「お疲れ様です、椹さん」
奴はいつものように笑顔だった。それはもう無駄にキラキラした紳士の顔で。
「なんだ?蓮、こんな時間に」
「実はお伺いしたいことがありまして」
「俺にか?まあ俺で答えられることなら構わないが」
俺はこの時すっかり忘れていた。夕方奴の遣いが俺に電話してきたことを。
にっこり笑っている奴に、俺は浅はかにも素直に応じてしまった。
「実は最上さんのことなんですけど……」
「最上くん?何だ?彼女がどうかしたか?」
そういえば最上くんはドラマで蓮と共演してい るんだった。
「明日から北海道でロケだと伺ったんですが……」
「あ、ああ。そうだ。一泊だけどな」
「大変ですね。一泊だけなんて。どこなんですか、ロケ」
「ん?確か函館だったはずだ」
「函館……」
思案げな蓮をいぶかしみながらも俺は素直に答えた。
思えばこの時逃げるべきだったのだ。この魔王が視線を外している間に。
少し俯いていた顔を上げ、蓮がこちらを見た。それはもうこれ以上ないくらい極上の笑顔を浮かべて。
何故か背筋に寒気が走った。カンカンカンカン。頭に逃げろと警鐘がなる。
「れ、蓮。悪いが明日は早いん……ひっ!」
(こ、殺されるー!!)
時既に遅し。蓮は器用にも後ろ手で扉を閉めた。鋭く切れ長の瞳には怒気を通り越し、殺気が浮かんでいる。蛇に睨まれた蛙のように俺は動くこともままならない。
「ねえ、椹さん。何か俺に隠していることないですか?」
奴が一歩、また一歩と近付いてくる。
口元は笑みを讃えているものの、それに反して眼光は鋭利な刃物のように鋭い。研ぎ澄まされた刃に一刀両断されそうだ。切られる前の恐怖にじわじわと侵される。
「れれ、れ、蓮……」
あまりの恐怖に声が上擦る。二十以上も年下の若造に本気で怯えるなんて情けないことこの上ない。が、これは仕方ない。
「教えていただけませんか、椹さん。このままだと俺気になって眠れそうにないんですけど……ね?」
暗いオーラを背負いながら極上の微笑みを浮かべて、蓮が俺の机に手を付いた。逃げ場はどこにもない。
「か、隠していることなんて、何もな……」言い切る前にバキっと凄まじい音がした。思わず目を閉じてしまう。次に目を開いたら蓮の顔がより近い所にあった。
「ひーっ!!」
思わず慄いて後ずさった俺の耳にバラバラと何かが壊されていく音が聞こえてくる。恐る恐る音のした方に目をやると、机の上で灰色の何かが粉々に潰されているのが見えた。
壊した欠片の1つを掴み、にこりと笑みを作る奴の顔は素人じゃない。笑顔で人を脅す経済ヤクザ…むろん下っぱじゃない、情け容赦なく金をぶんどるのを後ろで笑顔で指示している奴だ。
「椹さん……教えてくれますよね?なんで最上さんが函館に行くか」
教えないとこの欠片のようになる、と仄めかすようにそれを粉々に握り潰した。
この残骸のように潰される俺……想像しただけで震えが走る。
「椹さん……社長から聞いてますか?俺…昔は結構ヤンチャだったんですよね……」
確実にヤンチャャで済まされるものじゃない。しかも昔じゃなく今もそうだろう!と反論したくなった。
ブルブルと震える俺を見て、蓮が薄ら笑う。
恐い。恐すぎる。
ダラダラと冷や汗が流れる。
「椹さん……確か娘さんがいらっしゃるんですよね……?」
「蓮……?」
「まあさすがに娘さんはまずいか……なら奥様を俺のモノに……」
「れ、蓮?何を……」
「ああ……奥様を誘惑するのも面倒だな。椹さんの不倫でもいいか……」
不穏な言葉を漏らす蓮が不気味な笑いを浮かべている。
「ねえ……椹さん……?奥様や娘さんに軽蔑されたくないですよね?」
「れ、れれれ蓮?」
「噂なんていくらでも作れますよ?」
さてどうします?と目で問われ、俺は陥落した。




恐ろしい魔王が去った後、俺は最上くんに電話した。幸いなことに彼女は出なかった。
今はまともに彼女と話せそうにない。けれど言わずにはいられない。
だから留守電には謝罪の一言だけを入れた。
最上くんがこれを聞いた後、きっと何のことか尋ねてくるだろう。そうなる前に帰ろう。
電話を留守電モードにし、机に施錠しようとした時、灰色の残骸が目に入った。
「明日買ってこないとな……」
『すみません、マウスは弁償します』と帰っていった似非紳士の姿が頭を過る。
粉々になったマウスを残して帰る訳にもいかず、俺は仕方なくそれを綺麗に片付けた。
こんな風に壊されなくてよかったと思う反面、いたいけな少女を悪魔に売り渡してしまった罪悪感が拭えない。
明日、いや、もう今日だ。
魔王が函館で何もしませんように。
俺にはそれを祈ることしか出来なかった。




<後書き>
コピペに失敗して後半がなくなってしまっていたの再構築してみました。当事書きたかった脅す部分がなくなっていて困りました。脅迫方法とか台詞とか忘れて(壊すものはサリーちゃんが覚えててくれました。感謝♪)こんな風になってしまいましたがいかがでしょ?薔薇姫姉様に脅された光サイドは消えたし、姉様以外に求められていないので書きませんので悪しからず。
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