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☆「それはホントに夢かしら?キョーコVer」
2015年05月26日 (火) | 編集 |
「それはホントに夢かしら?キョーコVer」





気が付つくと、なぜか見知らぬ所にいた。まるで豪邸訪問を絵に描いたかのようなだだっ広いリビングに、どう考えてもオーダーメイドにしか思えない大きさのふかふかのカーペット、たいそう座り心地のよい革張りのソファ。そこに私一人が座っている。目の前にはホームシアターとしか思えない大きさのテレビが鎮座しているし、きょろりと視線をやればそこかしこにカメラや頭上にはライトのようなものまである。

豪邸……にしては特殊すぎる設備。どう考えても一般人というか一般的なお金持ちが住んでいるとは思えない。

「どこなの、ここは…………?」

バラエティーでロケ?いやいやそんなはずはない。そもそもバラエティーの仕事なんて『坊』以外今はしていない。

ドラマの撮影……にしては撮影機材が一切見当たらない。だいたいにして他のスタッフやキャストが全くいないのもおかしい。

それともラブミー部の仕事……?

「だめだ……全然思い出せない」

なぜこんな所にいるのか、どうやってここまできたのか。そもそも直近でどんな仕事をしていたのかすら思い出せない。これまでの記憶があいまい過ぎる。

「あれ?私こんな服持ってたかしら?」

そこで今度は自分の格好に気付いた。よくよく見れば着ている服にも見覚えがない。衣装にしては体に馴染みすぎているし、何よりも色使いが自分の好みにピッタリ過ぎる。シンプルだけれどレースやシフォン素材が然り気無く使われていて、可愛らしさと大人っぽさがミックスされたようなデザインだ。しかも着心地も触り心地も抜群にいい。きっと上質な生地が使われているのだろう。

服に触っていたら、自然と胸元にも目がいった。少しばかり大きくなっているような気がする。いやいや、気のせい、気のせい。

首を振ったところで不意に背後から声を掛けられた。

「キョーコ。後から日本に送って欲しい物があったら……」

この声はもしかして…………。

「せ、先生!」

振り向いて確認したらやはり先生がいらっしゃった。

思わず大声で叫んだ私に、先生は近付いてくるなりいきなりデコピンしてきた。それも思いきり。

「い、痛いですよ。なんですか、いきなり……」

「バカ者っ!痛くしないとまたボケたことを言うだろうが!」

「何もボケたことなんて言ってません、せんせ……」

言い切る前にまたデコピンされてしまう。

「わたしは悲しいぞ、キョーコ。そんなにわたしを他人扱いしたいのか……はっ!もしかして昨日勝手にリオン達にオモチャを買ったこと、まだ怒ってるんじゃないだろうな。いや…でもあれはしかし……」

先生が訳のわからないことを言いながら、ブツブツ何か言い訳めいたことを呟きだした。

それにしても……。

昨日?リオン達…?オモチャ……?

全くもって意味がわからない。どうも先生のお家にお邪魔しているらしいことだけはわかった。だとしたらここはアメリカ?さっき日本に送るって仰られていたし。

確かにいつでも遊びに来ていいと言われていた。けれど具体的な話はしていなかったし、それに先生と最近話した覚えもない。一体いつ約束を取り付けたのか。

もしかして社長が……?

ということはドッキリ的な何かで拉致られた?

「あり得るわ……」

「何があり得るんだ?というか荷物が見当たらないぞ?」

「荷物?」

「帰る荷物を整理していたんじゃなかったのか?」

「帰る?せ、せん…じゃなくて父さん……私もう帰らないと行けないんですか?」

今会ったばかりなのに……。

寂しいという意思をこめて見上げれば、先生は鳩が豆鉄砲を食ったようなぽかーんという顔をした。

「………………は?」

「父さんともっとお話ししたいな……」

ちょっと甘えた感じで言えば先生は固まってしまった。なんか先生らしくないわ……。もかしてお体の具合でも悪いのかしら。そう思って額に手を伸ばしてみた。

「父さん……?どうした……」

「そうかそうか。キョーコはまだここにいたいか!そうか、わたしもまだキョーコと話し足りなかったんだ!!リオン達も喜ぶし、何よりジュリが喜ぶぞ!!久遠のやつ……キョーコがそう言ってるならなぜ無理矢理帰るなんて……」

私の手が額に触れる前に、先生はかっと目を見開いた。そしてそれと同時に物凄い力で抱き締められたと思ったら、なんだか凄く嬉しそうな声を上げられた。

それに今なんか久遠さんのお名前が聞こえたような……。いえ、あれ?だって久遠さんってお亡くなりになっているのよね?

先生の腕の中で半ばパニックを起こしていると、急に背後が騒がしくなった。

『ほら、ちゃんとグランパとグランマにお別れ言ってきなさい』

聞き慣れた声が優しく諭す。

この声……どう聞いても……いやいや、聞き間違いよ。でも…………。

先生の腕の中から何とか離れ、恐る恐る振り向けば……。

「コーン……?」

あの日、グアムで別れた妖精王子が、あの日のままの姿でそこにいた。足元には可愛らしい二人の天使を従えている。

そして傍らには生きた宝石みたいに美しい、ダイヤモンドのようなきらめきの、ヒトとは思えない……まさに妖精界のクイーンが降臨されていた。

『いやだ~っ!!おわかれしたくないよ~』

『そうよね~。グランマもとっても寂しいわ。ほんと寂しくてあと1日で死んじゃうかも』

『え~っ!!そんなのいやだ!グランマしなないで!!』

『やだやだ。しんじゃやだ!ねえ、パパ。グランマしんじゃうのやだからまだここにいようよ~』

『…………孫にまでそんな嘘つかないで下さい、母さん』

『あら、失礼しちゃう。ほんとよ。ほんとに寂しいと死ぬんだから』

『どこかのウサギでもあるまいし。父さんも笑ってないで母さんをなんとかして。ねえ、キョーコ?』

「……ありえない……私…妖精の国に来たのかしら…………」

「だよね……って…………へっ?」

「ありえないわ……なんなのこの夢」

「夢……?何を言ってるの?キョーコ……?」

金髪の敦賀さん……じゃなくてコーンが不思議そうに首を傾げながら近付いてくる。私は思わず後退り、ソファの影に潜めた。

「キョーコ?一体どうしたの……?」

「なんなのこの夢は……どうやったら覚めるの…………」

何がどうなっているのか。ぐるぐると混乱してきた。踞っている私にコーンが二人の天使を伴い近付いてくる。心配そうに顔を覗きこまれ、ますます訳がわからなくなってきた。

「父さん……キョーコ、何かあったんですか?」

「さあ?わたしは知らん。二階から降りてきたら他人行儀に昔の呼び方をされて、腹が立ったからデコピンしただけだ」

「昔の呼び方?……って、何俺のキョーコにデコピンしてるんです!キョーコ、大丈夫?痛くない」

再び覗きこまれて混乱というレベルを通り越し、脳がショートした。

「ママ?ママもいたいの?ママもしんじゃう?」

「いやだ!!ママしんじゃやだ!」

泣きながら抱きついてくるまるで妖精のような天使達。思わず抱きしめてしまった。

「大丈夫よ。死なないから。ね、泣かないで?」

「ほんと?ほんとにママしなない?」

「ええ、死なないわ」

ぽんぽんと優しく背中を撫でてやれば、二人の天使達はそれはもう可愛らしい顔で笑った。

なんて可愛らしい生き物なの!!

思わずムギューと強く抱き締めてしまう。

今さらだけど……ママ……ママって私のことよね……?

だからその……つまり結婚してるってことで……相手は…………。

「ズルいぞ、二人とも。俺もギューして貰おうかな」

なんて言いながら、私を正面から包み込むように抱き締めてきた。ふわりと香る優しい匂い。安心するこの感じ…………。

「お前がキョーコに抱きついてるだけじゃないか」

「うるさいですね。おかげさまでキョーコには昨夜たくさん抱きついて貰いましたから、そのお返しです。ね、キョーコ?」

にっこりと神々しい笑顔。なのになぜか内容はとてもハレンチなような気がする。

「「『キョーコ?』」」

「「ママ?」」

6つの目が上から。4つの目が下から不思議そうに見つめている。

私は一体どこにきてしまったの?

夢なら早く覚めてえ!!




「…………という夢だったの」

「ふ~ん。激しくのたうち回ってるから、一体どんなキツいミッションさせられてるのか心配したじゃない」

心配して損したわ、とモー子さんは颯爽と部室から出て行った。

「相変わらずつれないなあ。でも……心配して貰えちゃった♪」

モー子さんの家に泊まって一緒に出勤できただけでも嬉しいのに、夢に魘される私を心配してくれるなんて…………。

「ふふっ♪。モー子さん、だーい好き」

本人を前にして言えば絶対怒られそうだけど。

怒られる……ってそういえば先生にされたデコピンもほんとに痛かったなあ……妙にリアルだったわよね~……。

ほんとおかしな夢。

でも…………。

夢の中のコーン。亡くなったはずの先生の息子さんであり、そして……。

私は知らない。

この夢が何年か後には現実になることを。

この時の私は知るよしもなかった――――。





<後書き>
4年前に書いて、お蔵入りしてた麒麟様へのプレゼント企画SS。これが夢シリーズ第一弾です。今回掲載するにあたって昔書いたのを今回一部書き直してみました。当時読んでいた方、わかるでしょうか。合宿みたいで楽しかったからまたお泊まり会したいね~。まあ結婚したから無理か。
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