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☆「それはホントに夢かしら?蓮Ver」
2015年05月26日 (火) | 編集 |
「それはホントに夢かしら?蓮Ver」





鼻腔をくすぐる美味しそうな匂いに目が覚めた。

トントンとリズミカルに何かを刻む音が聞こえる。

最上さんが朝食を作ってくれているのだろうか。ヒール兄妹が終わってから、彼女は以前にも増して俺の食生活を気にして自主的に食事を作りにきてくれるようになった。合鍵を渡してからは朝食も頻繁に用意してくれる。今日もそうなんだろう。

そう思ったら早く起きねばと急に意識が浮上した。ムクリと起き上がり、辺りを見渡すとそこは自宅ではなかった。てっきりマンションの自分の寝室で寝ていると思ったのに、どうも違うらしい……。

薄暗いが見知った部屋の間取りでないことはわかる。マンションのどの部屋でもない。かといってホテルっぽくもない。

あれ…………?

ここはどこだ?

暗くてはっきり見えないが、雰囲気からいってどこかの家のような気がする。

社長の家……?

しかしそれにしてもそこにいる理由が思い至らない。

そう言えば記憶も曖昧だ。昨日の出来事が全く思い出せない。

とりあえず起きようとベッド脇に足を下ろしたところで声が聞こえてきた。

「右京、カレン、そろそろパパを起こしてきてくれる?」

「うん、わかった!」

「ラジャー」

聞き覚えがある声に、聞き覚えのない声が応えている。二つの幼い子供の声。マリアちゃんよりも少し小さいぐらいだろうか。

パタパタと元気に駆ける音が聞こえたと思ったら、バタンと勢いよく部屋のドアが開いた。

「パパー!おっきろー!!」

なんとも可愛らしい声で、女の子が元気に駆け寄ってきて俺が寝ていた布団にダイブした。さっきの声の持ち主の一人だろう。

「あれ?パパもうおきてたんだ!」

女の子は俺の顔を見て嬉しそうに笑う。そして布団の上をよじよじと這って起きようとしていた俺に抱きついてきた。

「おはよう、パパ。ごはんできたよ!」

ぎゅーっとくっついてくる女の子を落ちないように抱いていると、不思議としっくりくるのに気付いた。子供を抱く仕事してたっけな?それにパパだって?

「カレン、はしっちゃダメだって。あ、パパおはよう」

訳のわからない情況に内心焦っていると、今度は七歳くらいの男の子が入ってきた。

「パパ?まだねぼけてるの?はやくおきないとママにおこられるよ」

???????

男の子は動かない俺に疑問を持つことなく部屋の奥へと進み、カーテンを開けてくれる。薄暗かった部屋に光が入り二人の顔がはっきり見えた。

俺の膝の上に座り、楽しそうに足をばたつかせている女の子は、少し幼いが小さい頃の最上さんに瓜二つ。黒い髪をピンクのリボンで2つに結んでいる。ただあの頃の彼女と違うのは瞳の色が青みがかった緑色だった。

そして男の子の顔は昔の俺に似ている。日の光に照らされて輝く金髪と、俺とは違う黒い瞳。その黒い瞳がいつまでも動かない俺を不思議そうに見ている。

「パパ?どうしたの?まだあたまおきないの?」

そう言いながら男の子が近付いてくる。

俺に似た男の子と最上さんに似た女の子。瞳の色だけがそれぞれ反対の色を持っている。

これはもしかして……。

推察した嬉しい答えに顔がにやけてくる。

「右京、カレン?パパまだ起きないの?」

そう言って部屋に入ってきたのは、予想通り大人っぽくなった最上さんだった。体がより女性らしくなっていて髪が伸びている。そして想像したより遥かに綺麗で、でもどこか可愛くて、大人の女性の色気と最上さんらしい溌剌とした雰囲気が絶妙の加減で同居し、何とも言えない魅力を醸し出していた。

「起きてるよ。おはよう」

カレンと呼ばれた幼女の頭を撫でながら笑顔で応える。

「おはよう、コーン。なんか嬉しそうだけどいい夢でも見たの?」

「うん、すごくね」

本当にすごくいい夢だよ。

君と結婚してこんなに可愛らしい子供がいるなんてね。

カレンちゃんを抱き上げて立ち上がり、最上さんにおはようのキスをした。嫌がる様子もなく応えてくれる彼女。

ああ、本当になんていい夢だ。

嬉しさのあまり長く唇を合わせていると胸を叩かれた。そして三方向からじっと見詰められ、三者三様の声を浴びせられる。

「もう~!長い!ご飯冷めちゃうわ!」

正面からは真っ赤になった最上さんからの抗議の声。

「パパ、カレンにもチューして!おはようのチュー」

胸元からはカレンちゃんからの可愛らしいお願いの声。

「パパ、あさからウザいくらいラブラブだね」

後ろからは右京くんからの呆れたような冷めた声。

とりあえず笑って最上さんに謝り許してもらい、カレンちゃんの頬っぺにキスしたらキスを返され、右京くんに酷いと訴えると冷たく一瞥された。

ほんとになんていい夢なんだろう。このままずっと覚めなければいいのに。

いつまでもふよふよと笑いを浮かべる俺に、三人は「今日のパパ、変ね」なんて言いながら楽しそうに俺の顔を見ている。

「よっぽどいい夢だったのね。どんな夢だったのかしらね?」

「あてっこしようよ、ママ!」

「カレンにあてられるわけないだろ」

「そんなことないもん!カレンだってあてられるもん!」

「あらあら、もう止めなさい。それよりほんとにご飯が冷めちゃうわ。早く行きましょう」

最上さんが二人を連れて部屋を出ていく。俺もその後へ続こうとして、何かに躓き壁で頭を強打した。




気が付くと見慣れたマンションの寝室で寝ていた。

やっぱり夢だったか…………。

起き上がり、がっくりと肩を落としたら頭からも何か落ちた。

……………タオル?

少し濡れた感じのするタオルは、確かに自分の家の物だ。それにしてもなんでタオルが頭にあったんだ?

不思議に思いながら枕元を見たら温くなった氷枕が置かれていた。

??????

こんな物を買った記憶も、ましてや枕元に置いた記憶もない。そういえば昨日どうやって帰ってきたのかすら思い出せない。

困惑しながら床に足を下ろしたところで誰かが近付いてくる足音がした。

「そろそろ起きていただかないといけないわね……熱下がったかしら」

いつもの最上さんがそう言いながら部屋の扉を開けた。

「あ……敦賀さん、なんだ、起きてらしたんですね。体の調子はいかがですか?」

「おはよう、最上さん。もう大丈夫だよ」

にこりと微笑みかければ、最上さんもおはようございます、と言って笑顔を見せてくれた。そして俺の額に手をあててまたふわりと笑う。

「うん、熱下がってますね。よかった……」

「ありがとう。最上さんのお陰だよ」

至近距離で最上さんの瞳を見つめて言えば、最上さんは少し紅くなった。

可愛いな……。夢の中でも可愛かったけど、現実の最上さんもやっぱり可愛い。

でも……本当に可愛かったな。最上さんも俺の娘も。早く現実に逢いたいな……。

可愛い娘にキスされた頬に触れば、自然と顔が弛んでしまう。

「機嫌よさそうですね。何かいいことでもあったんですか?」

「えっ?ああ、うん。いや、凄くいい夢を見たんだ」

「へえ~。どんな夢だったんですか?」

「ん?う~ん、忘れちゃった。どんな夢だったんだろ?なんか凄くいい夢だったっていうのは覚えてるんだけどね」

「確かにそういうのありますよね。またその夢見れるといいですね」

俺の吐いた出任せを疑うこともなく、最上さんは笑ってそう言ってくれた。

うん、確かにまた見れるといいな。

でも所詮は夢だ。それよりこの夢を現実にしないと。

そう決意して、その日から俺は最上さんにアプローチを開始した。

その結果、恐怖の大魔王に出会ったかの如く恐れおののき、逃げられ続けることも知らないで――――。





<後書き>
キリル大佐様からのバースデーリクエスト。以前麒麟様企画で書いたような未来の夢の話を蓮で。子供の名前もちょっとした設定もリクエストしていただいてありがとうございます。希望通りになっているでしょうか。
これが夢シリーズ2作目です。
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