花とゆめ連載「スキップ・ビート!」の感想&二次SS中心です。当サイトはリンクフリーです。
  • 03«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • »05
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

☆「それはホントに夢かしら?社Ver」
2015年05月26日 (火) | 編集 |
「それはホントに夢かしら?社Ver」





久しぶりに風邪をひいてしまった。キョーコちゃんに蓮の代マネをやってもらって以来だ。

体調を崩している自覚はあったのに、カインの仕事が終わってからずっと、それまで抑えていた皺寄せか、忙しくて休みという休みが取れなかった。そのせいで余計に悪化させてしまったようだ。

昨日はなんとか自宅に帰ったものの、あまりの辛さに着替えることもできず、そのまま床で寝てしまった。そのせいかますます体が痛い。指一本を動かすことでさえ億劫で這うことも出来ない。

せめて松島主任に電話しないと……と思っても体は言うことを聞いてくれない。ちなみに携帯は鞄の中で、その鞄はというと、遥かかなたの玄関にある。とてもじゃないがあそこまで辿り着けそうにない。

そんな状況に俺は焦っていた。

ぜえぜえ、はあはあと息を吐きながらもがいているうちに再び意識を失った。




人の話す声と美味しそうな匂いにふいに目が覚めた。けれど目蓋が重く、目を開けることが出来ない。

「琴美も奏多も大人しくしているのよ。社さんはご病気なんだからね」

「そんなことわかってるわ、ママ」

「きょうはヤシロのおじちゃんのおみまいにきたんだもん」

どこかで聞いたことのあるような、でもどこか少し違うような女性の声と、可愛らしい子供の声が二つ。俺の寝ているすぐ近くでした。

一瞬隣の部屋かと思ったけどそれにしてもあまりに近すぎた。おまけにすぐそこに人の気配がする。

誰だ………?まさか泥棒?

子連れの泥棒なんてあり得ないのに、熱で正常な判断が出来なくなっていた俺は目を閉じたまま携帯に手を伸ばす。

「あ、ママ!ヤシロのおじちゃんうごいたよ!」

嬉しそうな声がしたと思ったら、パタパタと足音がしてそれがどんどん近付いてくる。

「カナったらはしっちゃダメでしょ!」

「でも…おねえちゃんだってさっきはしってたじゃない」

「わたしはいいのよ。おへやのそとだったし、それにカナみたいに大きなおとをたてたわけじゃないもの」

得意気に話す少女の声が可愛くてふいに笑いが込み上げる。

これは泥棒じゃないな…なんて思いながらゆっくり目蓋を上げれば、視界に俺をじっと見下ろす四つの瞳が入ってきた。

「ヤシロのおじちゃんだいじょうぶ?おきた?あたまいたい?」

「おはよう、社のおじさん。カゼひいたってきいたからおみまいにきたのよ!」

可愛らしい二人の子供が我先にと枕元で話しかけてくる。小学校低学年ぐらいの女の子とそれより少し小さい男の子。溌剌とした瞳が印象的だ。

誰…………?

見覚えのない子供がなぜ自分の枕元にいるのか。おじさんと呼ばれるからにはそれなりの知り合いなのだろうが、生憎と全く記憶にない子供達だ。蓮が共演した子役?それとも事務所の誰かの子供?いずれにしても家まで上げるような仲の子供なんていないはずなのに……。

俺が戸惑っているのにも気付かず、二人は楽しそうに俺の上で話している。何を話しているのか、俺に話しているのか、二人だけで話しているのかすらわからない。それぐらい動揺していた。

「ママ!社のおじさんおきたよ!はやくきてー」

一頻りしゃべると女の子が立ち上がって誰かに声をかけた。

忘れていたが、そういえばもう一人女性がいたんだった。

俺はむくりと起き上がると、ようやく辺りを見回した。

床で寝ていたはずなのに、俺の体はいつの間にか布団の中にあった。確かに俺の部屋なのに微妙に雰囲気がいつもと違う気がする。いつも開けっ放しにしているリビングと寝室のドアが半分閉められているせいだろうか……。

むくりと起き上がれば、暗かった部屋が急に明るくなった。女の子がドアを全開にしてくれたらしい。

「ムリしておきちゃダメ!すぐママがごはんもってくるからまだねてて!」

起きた俺に気付くと、女の子はめっと注意してまた寝かせようとしてくる。

「も、もう大丈夫だから……」

そう言っても聞いてくれず、強引に布団を被せ、その上に乗り上げてきた。

可愛いらしくも利発そうな顔立ちにその表情……誰かに似ている。誰だ……?

考えようと目を閉じたら、リビングから誰かが入ってくる気配がした。

「ママ!ごはんできた?」

「あっためるだけだから、できたにきまってるでしょ?カナったらばかなんだから」

「バカじゃないもん。おねえちゃんのイジワル!!」

「こらっ!静かにしてなさい。社さん、大丈夫ですか?蓮さんから昨日辛そうだったと聞いてきたんですが……」

聞き覚えのある声に目を開ければ……。

「キョ、キョーコちゃん……?」

目の前にはキョーコちゃんがいた。いや、正確にはキョーコちゃんよりナツを彷彿とさせる大人の女性……より綺麗になった未来のキョーコちゃんが大人っぽい服装で立っていた。

「すみません、ご迷惑かと思ったんですが社長さんから合鍵を借りて勝手に入ってしまいました。電話をおかけしたんですがお出にならなかったので、もしかして倒れておられるのかなと……」

申し訳なさそうに頭を下げる大人キョーコちゃんに、俺は違う意味でも焦ってきた。正座して下を向かれると谷間が見えるのだ!ただでさえ少し胸元の開いたデザインだからか、キョーコちゃんの胸が大きくなっているからか、そこにばかり目がいってしまいそうになるのに。

これは拷問か?連絡もせず休んだ罰か?

「ご飯の前に体温測らせて下さいね」

おまけにそう言って近付いてくる。胸が!胸が迫ってくる!!

れ、蓮に殺されるーっ!!

「キョ、キョーコちゃん!大丈夫!俺大丈夫だから!熱は自分で測るから!!キョーコちゃんはご飯!そう、ご飯!ご飯作ってくれたんだよね!お腹減ったから早くご飯食べたいな!!」

焦って断るために捲し立てると、キョーコは「わかりました」と言って渋々立ち上がってリビングへ行ってくれた。

「ふう~。た、助かった~」

「なにが?」

「なにがたすかったの?」

「ん?そりゃあ闇の国の蓮さんに……」

俺の両脇で純粋な笑顔でニコニコと訊いてくる子供達。それに素直に答えようとして気付いた。さっきの大人キョーコちゃんが未来のキョーコちゃんだとしたら、この子達はもしかして……。

「パパがどうしたの?なにのくにのパパ?」

「ヤミのくに?ヤミのくにのパパがなにかしたの?」

やっぱり……。やっぱりそうなんだ。

キョーコちゃんと蓮の……。

そうか……。

ぐふ。ぐふふふふ。

込み上げてくる笑いを堪えることが出来ない。

気味が悪い笑みを浮かべる俺を、子供達が不思議そうに見ている。

蓮とキョーコちゃんにそっくりな、可愛らしい子供達。顔はもちろん、性格も本当に可愛い。きっと忙しいながらも二人が上手く育てているんだろう。

二人の夫婦生活かあ……。

想像しただけでにやけてくる。

それを隠すため口を押さえていると、キョーコちゃんがお盆を持って戻ってきた。とてもいい匂いがする。現金なことにグーっとお腹が鳴った。

「社さん、お粥とスープです。食べられそうですか?」

「うん。ありがとう。いただくよ」

起き上がった俺の側までやって来て、キョーコちゃんはそこにちょこんと正座した。お盆を受け取ろうと手を布団から出したのに、何故かお盆を渡してくれない。

「キョーコちゃん……?」

「熱いので気を付けて下さいね」

そう言ってキョーコちゃんは、フーフーとスプーンで掬ったお粥に息を吹き掛け、あーんと口元へそのスプーンを運んでくる。

「あ、ありがとう、キョーコちゃん!自分で!俺、自分で食べられるから!!」

「ママ!わたしがたべさせてあげる!」

「ぼくもぼくも!!」

「ダメよ。熱いから危ないわ。社さんも遠慮なさらないで下さい」

「ほんとに大丈夫だから!一人で食べれるから!!」

だからこれ以上近寄らないでー!!あーん、なんてされて、食べさせて貰ったなんて、蓮に知れたら恐ろしいことになる!ただでさえ大人キョーコちゃんの魅力にドキドキしてるのに。こんなラブラブ新婚さんみたいなことされたら……。

闇の国の蓮さんが降臨してしまう!

「キョーコちゃん!後生だから!お願い!俺を助けると思って!!」

あまりにも必死な顔で頼み込んだからか、キョーコちゃんは仕方ないですね、と諦めて俺にお盆を渡してくれた。

優しい味のお粥と野菜の旨味が閉じ込められたスープ。やっぱりキョーコちゃんの料理は美味しいなあとしみじみ堪能させてもらった。

俺が全部平らげると、キョーコちゃんが嬉しそうに笑って食器を片付けにいってくれた。子供達はというと、リビングで静かに本を読んでいる。

絵本……?じゃないないな。教科書……?でもなさそうだ。でもなんか見覚えがあるんだよな……。

気になって立ち上がり、二人の方へ近寄ろうとして、見事に転んだ。眼鏡をかけていなかったんだ……。

そう思ったところで意識が途切れた。




目が覚めると床の上だった。体が痛くて堪らないし、だるい。けれど何故か熱自体はかなりは下がっている気がする。

夢か……。

蓮とキョーコちゃんの子かあ……。

早くそうなってくれたら、俺の精神的ストレスも少しは解消されるのに。

なんて思いながら起き上がり、だるい体を引き摺って、玄関に置いたままの鞄を取りに行く。中から携帯を取り出し松島主任に休む旨を連絡したら、すでに蓮から伝えられているとのことだった。昨日そんなに辛そうだったかな?

薬を飲んで一寝入りしようと棚に目をやり、気付いた。本来そこにあるべきものがそこにない。そして夢であの子達が読んでいた本は……。

ぎーえーっ!!

なんで?どこに?まさか!

いやいやそんな訳はない。あれは夢だ。夢であるはずなんだ!

しかしいくら探しても部屋からそれが見付かることはなかった。

そして後日、顔を真っ赤にさせたキョーコちゃんからそれを受け取ることになろうとは。俺は予想もしていなかった。

「何故か私の鞄に入っていたんです。ほんとにほんとにすみません!!」

泣きそうな顔でそう言われ、俺も泣きそうだった。

そしてキョーコちゃんにあんな顔をさせてしまった俺を、蓮が闇の国の蓮さんを召喚させて訊問したのはまた別の話。

大事に名前を書いたのが間違いだった。そもそも何故名前を書いたのかすら覚えてないない。

俺が長年愛用した俺のお宝。

何故か子供の手形が付着していた。俺はキョーコちゃんから返してもらったお宝を即処分した。

これであの夢の出来事が未来で起こることはない。

さようなら、俺の青春。俺の宝。

だから蓮!早く告白してくれよーっ!!





<後書き>
白凛様のバースデーリクエストです。かなり難しいお題でした。夢シリーズで社さん編。意外と社さん難しかった。しかも途中でエロ本をからめてくれと。社さんが溜めているのはストレスだけじゃないはず……とかなり問題発言をされたのにも関わらず、社さんがどんなお宝を持っているかは提案してくれなかったので誤魔化してやりました(笑)。上手くエロ本を使えなくてごめんなさい。無理矢理後で付け足した感満載。すみませんでした。
スポンサーサイト

コメント
この記事へのコメント
ヤッシーにエロ本(笑)
お久しぶりです。柊 琴です。覚えていらっしゃいますでしょうか。

社さんの話を探してさ迷っていたら辿り着きました。ブログ再開されていらっしゃったんですね。嬉しいです。

この話にはびっくりしちゃいました。最初普通に読んで、途中未来<span style="background-color:#FFFF00;">キョーコ</span>の胸にやられ闇の蓮さん降臨予感におそれるヤッシーに笑い、最後がまさかのエロ本落ちとは。恐れ入りました。

ヤッシーの青春を捧げたエロ本がどんなものだったのか気になるとこですが、そもそもエロ本を普通に棚に置いておくとなんてヤッシーったらウカツさんね(笑)。

また読みに来させてもらいますね。
頑張って下さい。
2015/06/09(火) 10:55:53 | URL | 柊 琴 #-[ 編集]
承認待ちコメント
このコメントは管理者の承認待ちです
2015/10/26(月) 23:46:45 | | #[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。