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「三年後の私」
2009年04月28日 (火) | 編集 |
「三年後の私」



窓の外でチュンチュンと雀の声。微かに感じる優しい陽光。
すぐ傍に感じる温もり。
ああ、朝だわ。起きないと。
ゆっくり瞳を開けると、端正な顔が……。
「おはよう」
「は、はい。おはようございま……すうぅえええっ!?」
「いきなりなんて声あげるの?キョーコ」
そんな事を言われましても……あの、どうして、私敦賀さんと一緒の布団で寝ているのでしょうか?
ん?あら?今……キョーコって呼ばなかった?
頭がパニックしている私の顔を、すこぶる優しい、あの神々スマイルの敦賀さんが見ている。
「へんな夢でも見たの?」
くすくすと笑みを零し、髪の毛に触られた。
触られた…じゃない!よく考えたら、よく考えなくても、私、なんで腕枕されてるの!?
しかも敦賀さんなんて裸よ!脚にあたる感触で下は着ておられるみたいだけど……。
なんでなの?何があったの?
思い出そうにも昨日の記憶が全くない。ここに至った経緯がすっかり抜け落ちているみたい。
「キョーコ?」
「あの……敦賀さん?私、どうしてここにいるんでしょうか?」
勇気を持って恐る恐る聞いてみた。
「…………」
「あの……敦賀さん?」
いやー!なんでか敦賀さん凄い顔で固まっていらっしゃるわ!私、何か変なこと聞いたかしら?
いや、聞いたのよね?
ずうずうしくもただの後輩が大先輩のお宅に上がりこんだ上、恐れ多くもベッドにまで入りこんじゃって!
それをなぜ?なんて!
「す、すみません!!敦賀さん!失礼なことをしてしまいまして。あの、全く覚えてないんですけど、私が入りこんだんですよね?すみませんすみません。もうしま……」
「……覚えてない?」
もうしませんと続けようとしたした所で敦賀さんが小さく呟いた。
「敦賀さん?」
「何も覚えてないの?」
今度ははっきりと。
「えっ、あ、はい。何も……」
「…………」
私がすみませんと言うと、敦賀さんは無表情になった。
一体何がどうなっているの?
頼りにならない自分の記憶になぜだか無性に不安を感じる。敦賀さんの態度もなんだか変。
どうしていいのかわからないまま、私は敦賀さんの腕に包まれていた。居心地は不思議と悪くない。むしろ凄く安心する。
「敦賀さん……?」
身じろぐと、ベッドヘッドに時計が見えた。
「もうすぐ7時ですけど…起きなくて大丈夫ですか?」
「ああ……」
私が頭を上げたので、敦賀さんもゆっくりと身体を起こした。
相変わらず敦賀さんは無表情だ。
話を変えて見ようかしら?
「ダークムーンの撮影ももう数えるばかりですね。少し寂しいです」
「えっ……?」
敦賀さんが目を見開いて私を見ている。
そんなに驚くこと?
だって私にとって初めてのドラマなんだもの。感慨に耽ってもいいわよね?
「……ねえ、キョーコちゃん?変な事を聞くけど、今何歳?」
「?……17歳ですけど……この間お祝いしていただきましたよね?」
おかしな敦賀さん。急にどうしたのかしら?
「今、何年?」
「2009年ですよ……ね?」
ますますわからない。
「あの……なんなんですか?」
質問には答えて貰えず、敦賀さんは無言で寝室を出ていった。
なんなの?
とりあえず起きようとベッドサイドに立ち上がった。なんだか下半身に違和感を感じる。腰が重い。
朝から頭の中は疑問符だらけ。
そう言えば着ているピンクのパジャマにも見覚えがない。私の物でもないのにしっくりくるのはなぜ?
ベッドには青とピンクのお揃いの枕。ベッドサイドのローボートには写真立てが。
何気なく手を伸ばしたところに敦賀さんが戻ってきた。手には日めくりカレンダー??
「キョーコちゃん。もう一度聞くよ?今は何年?」
「2009年です」
「何月何日?」
「……2月15日」
「これを見てごらん?」
そう言って、敦賀さんが見せてくれたカレンダーは……
「2011年12月24日……」
唇が勝手にそう動いた。頭が回らない。
小さく呟いた私を敦賀さんが痛々しそうに見ている。
身体がガタガタ震えてくる。なんだか頭がガンガンしてきた。
そんな私を敦賀さんがそっと抱きしめてくれた。敦賀さんの鼓動。匂い。温もり。どうしてか凄く安心する。
「よく聞いて、キョー、いや、最上さん」
とても穏やかな声で敦賀さんは話してくれた。




私、最上キョーコと敦賀蓮ことクオン・ヒズリさんは付き合っている。
二年前のダークムーンの撮影途中から。バレンタインのチョコレートがきっかけだった。
お互い忙しいながらも順調に愛を育み、事務所でも公認の仲になった。
そんな中、私は妊娠した。もちろん敦賀さん、いや、クオンとの子供だ。
けれど私には自信がない。母親に愛されなかった私が、子供を愛し、育てることなんて……。
それでもクオンは私にプロポーズした。私が20歳なる日、入籍しようと。俺の子供の母親になってと。
Yes--。
私はそう答えた。



そう、思い出した。
私はクオンと結婚できるのが嬉しかった。けれど不安だった。
本当は子供なんていらない。
愛せる自信なんてない。
そんな私、絶対嫌われる。そう思ったら、悲しくて、耐えられないほど辛くて。
いっそ最初からなかったことにしてしまいたかった。
「ごめん……ごめんね」
お腹の中の新しい命に泣きながら謝った。
弱いママでごめんなさい。
「ごめんなさい」
ぎゅっと抱きしめてくる腕にも。
「愛してるわ」
温かくて広い背中に手を回し、ありったけの想いを伝える。
写真立ての二人が幸せそうに微笑んでいた。



窓の外でチュンチュンと雀の声。微かに感じる優しい陽光。
すぐ傍に感じる優しい温もり。
ああ、朝だわ。起きないと。
ゆっくり瞳を開けると、見慣れた端正な顔。その間には愛しい小さな寝顔。
二人の額にキスを落とし、私は朝食を作るため起きた。
それはいつもの朝。
これからもずっと変わらない。





<後書き>
長っ!あれ?こんな予定じゃなかったのに。
しかも前半はコメディータッチ。後半はシリアス。あれ?コメディーで進めるつもりが…。
やはり記憶喪失ネタでいこう!なーんて思い付きで書いたのがいけません。
何気に蓮がかわいそうです。前半部分だけなら蓮目線で書いてみたいかも。コメディーで。
そして忘れてたキョーコちゃんはお仕置き決定(笑)。
困ったのが蓮の呼び名。本名で呼び捨てにしてみましたがいかがでしょう?
タイトルは三年後ですが正確には二年と十ヶ月後です。

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コメント
この記事へのコメント
お久しぶりでーす。
初コメント!恥ずかしいです。久々に黒猫さんの小説だー。嬉しいな♪

最近影響されてスキップ・ビート!読み始めました。くっつきそうで、くっつかないどころか、くっつく気配すらない展開。CMオーディションなので…。
頑張って追い付きます。


前半コメディータッチが好きです!パニクってるキョーコちゃんがかわいい。
また来ます!
2009/04/30(木) 12:47:26 | URL | 早乙女あかね #-[ 編集]
あかねたんいらっしゃーい♪
スキビ読み出してくれて嬉しいなあ。
21巻現在でまだキスしてませんよ!まだ片方は恋に気付いてないからくっつくのはまだまだ先。
まだCM編ならネタバレたくさんあるし、わからないことがたくさんあると思うけど、そのうちわかるから!


コメディー頑張ります。ブラックはかわいそうなので書けませんわ。
2009/05/03(日) 10:46:51 | URL | 黒猫 #-[ 編集]
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