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☆「それはホントに夢かしら?マリアVer」
2015年05月26日 (火) | 編集 |
「それはホントに夢かしら?マリアVer」





蓮様と結婚できないなんてこと、きっとほんとはどこかでわかってた。

蓮様が私のこと、恋人として見てくれることなんて一生ないことも。

蓮様に私が相応しくないことも。

蓮様の幸せそうな顔を見た時からずっと、誰がその視線の先にいるのか知っていた。

蓮様をそんな笑顔にさせられるのは私じゃない。私じゃ出来ない。

あの人だから。あの人だからこそ蓮様に本当の笑顔を与えてあげられる。あの人になら蓮様を奪われても構わない。

ううん。最初から私のモノじゃないのだから、奪われるも何もない。

けれど下手な女に蓮様は相応しくない。私には無理でも、せめて蓮様の隣に立つのに遜色のない女性が現れるまで私が排除してあげるのよ。ずっとそう思っていた。

あの人が現れるまでは。

蓮様の隣に立つ女性。これがどこぞのバカな女なら許せなかった。あの人だから許せた。あの人だからこそ許せたのだ。

蓮様があの人を見て幸せそうに笑う。

ああ、蓮様があの人を選んでくれてよかった。

私の尊敬する大好きなお姉様を選んでくれて、本当によかった。




幸せそうに赤ちゃんを抱くお姉様を見ながら、私はそんなことを思い出した。

蓮様とお姉様が結婚されてから七年。お二人は三人のお子様に恵まれ、幸せそうにしていらっしゃる。いつも新婚のようにラブラブで、いつ見ても蓮様は幸せそうに笑っている。

今日はお二人の家に遊びに来ていた。生憎蓮様は仕事でいらっしゃらないが、育児休暇中のお姉様と、お二人の三人目のお子様、花音(カノン)ちゃんとの時間を満喫させていただいている。

出産直後に会ったっきり、色々あって花音ちゃんとは会えていなかったから、嬉しくてたまらない。花音ちゃんの小さな手を握ってあげるとにっこりと笑ってくれた。

「可愛い!!花音ちゃんはやっぱりお姉様に似ていらっしゃいますわね。蓮様、メロメロになっていそうですわ」

「そうなの。もう大変よ。帰ってきたらまず真っ先にキスしにくるの。それもほっぺただけじゃなく顔中。朝も中々離れたがらないし」

その光景が目に浮かび、私はクスリと笑った。

まだ6ヶ月の娘にキスをしまくる蓮様なんて、昔は想像も出来なかった。蓮様がまさかイクメンで、子煩悩を通り越してこんなにも暑苦しいパパになるだなんて。そんなこと思ってもみなかった。どんなに仕事で忙しくても家に帰れば率先して育児をこなす。いや、むしろ嬉々とやっているように見える。まあこれもお姉様への愛のなせる業よね。

花音ちゃんをあやしながらそんなことを考えていたら、ガチャリと玄関の開く音がした。

「ママーっ!!マリアちゃん、まだいるー?」

元気な声と廊下をパタパタと走る音が聞こえてきた。未来の私の旦那様が幼稚園から帰ってきたのだ。

私は座り直してスカートを直し、手で髪を整えた。

「こらっ!紫音(シオン)!先にただいまでしょう!あと廊下は走らない!」

嬉しそうな顔でリビングに入ってきた男の子は、お姉様に叱られるとはーい、と返事をして、素直に「ただいま」と言った。

現在幼稚園に通う、もうすぐ六歳になる男の子。蓮様とお姉様の一番上の子供にして、私が将来旦那様にしようとあの手この手で画策している、蓮様そっくりの紫音くん。

確実にいい男に育ちそうな容姿はもちろんのこと、頭の回転も、そして当然性格もいい。難を言えばそのせいで幼稚園でもかなりモテているらしいことだ。当たり前のように、みんなにちやほやされているのも気に入らない。蓮様に似てフェミニストなところもいただけない。

けれど小さい頃から刷り込みしたおかげか、「マリアちゃんがだいすき!ぜったいオヨメさんにする」と言ってくれている。ちなみに最初は「マリアおねーちゃん」と呼ばれていたけれど「マリアちゃん」に変えさせた。だって結婚相手に「おねーちゃん」呼ばわりは有り得ない。

「お帰り、紫音。今日は幼稚園どうだった?楽しかった?」

「うん!でもマリアちゃんとあそぶほうがもっとたのしいもん!だからはしってかえってきちゃった!!」

その言葉を聞いて私はニヤリとした。洗脳は順調だ。あと12年。そうすれば結婚できる。

「そうだ!マリアちゃん、ケーキ食べない?昨日焼いたのよ」

「ぼくもてつだったんだよ!」

紫音くんが嬉しそうに言う。褒めて、褒めて、と尻尾を振っているのが見える。

可愛い。こんなに可愛い生き物がいていいのかしら。

「紫音くんも手伝ったの?偉いわね」

「そうなの。生クリーム泡立ててくれて、デコレーションまでしてくれたの。それも一人で。それがまた上手に出来たのよ」

私とお姉様、二人に褒められて紫音くんは満面の笑みを浮かべた。

お姉様がケーキとお茶の用意をしてくれている間に花音ちゃんをベビーベッドで寝かせていると、またガチャガチャと音がして、玄関の扉がバンと開いた。

「ただいまー!!マリアおねーさまー!!」

開くと同時に大きな声で叫ばれて、私は笑いそうになった。

この声は花梨(カリン)ちゃんだ。お二人の真ん中のお子様でまだ四歳なのに、すでにモデルや子役として活躍している。さすがにお二人のお子様だけあって感もよく、演技も凄いと評判だ。

今日も幼稚園の後撮影だったらしい。それにしてはやけに早い。

「お帰り、花梨。撮影はもう終わったの?」

私の心の声を代弁したかのようにお姉様が花梨ちゃんに訊ねる。すると花梨ちゃんは得意気な顔で言った。

「マリアおねーさまにはやくあいたくて、すっごくがんばったの。わたしのシーンはとりなおしいっかいもしてないわ。ほかのとこもわたしのおかげでだいぶマイタ?っていってたよ?」

すごいでしょ、と得意気に話す花梨ちゃんに、私とお姉様は思わず顔を見合せた。

さすが蛙の子は蛙。確実にお二人の子ですわね。というか周りを巻き込むところは蓮様似ね。私に早く会いたくて撮影を巻くなんて……末恐ろしい。まあこれだけ慕われているのは嬉しいけれど。

「花梨お嬢様、ご自分の荷物ぐらいお持ち下さい」

花梨ちゃんの所業におののいていると、開けっ放しになっていた玄関からセバスチャンが鞄を持って入ってきた。セバスチャンは今、運転手兼マネージャーとして花梨ちゃんについている。

「セバスチャンさん、すみません。花梨ったらもう!!」

お姉様は花梨ちゃんを正座させ、お説教を始めた。その間に私と紫音くん、セバスチャンはケーキを食べることにした。

紫音くんがデコレーションしたというケーキは本当に綺麗に飾られていて、生クリームの花は見事としか言いようがない。

「これ、本当に紫音くんが全部デコレーションしたの?」

「そうだよ。まえにママがつくってくれたのマネしてみた」

「本当に綺麗ですね。お店で並んでいてもおかしくないですよ」

セバスチャンまでも絶賛する。それぐらい綺麗だったのだ。

一口頬張れば生クリームの甘い味にうっとりさせられる。しつこくなく、絶妙な甘さで、いくらでも食べられそうだ。

「おいしい?」

「ええ、とっても。紫音くんは天才ね!!」

「えへへっ。うれしいな。マリアちゃんがくるってきいたからがんばったんだ」

はにかみながら言う紫音くんにノックアウトされて、私はふらりと倒れそうになった。

なんて!!なんて可愛い生き物なのかしら!!!

容姿は蓮様に似て最上級、そしてお姉様に似たこの完璧な料理の腕。

やっぱりこんなお買い得な物件ないわ!!

「あ、マリアちゃん……」

「何?」

「ついてるよ……」

そういって頬をペロリと舐められた。

ボン!!

頭の上から音がして顔が爆発する。そして今度こそ心臓を撃ち抜かれて、私は倒れた。




気が付くと、私はグレイトフルパーティーの会場にいた。どうやら会場の隅に置いてあるソファーベッドでうたた寝してしまったらしい。

もうすぐ日付を越えようとしている。

去年は出来なかったけれど、今年はまたお姉様とパーティーを企画し、開催することが出来た。

さっき蓮様から誕生日プレゼントを貰った。お姉様からはパーティーの始まる少し前に貰っている。ソファーベッドにはそれらがきちんと置かれていた。

お二人にお祝いをして貰えて、今年も幸せだ。誕生日を大好きな人達と一緒に過ごせて、お祝いして貰えて、こんなに嬉しいプレゼントはない。

もちろんパパも忙しいのに着てくれた。今はトラおじ様と談笑している。そのすぐ近くでは蓮様が何か召し上がっていらっしゃった。

「やあ、マリアちゃん、もう起きたんだ?」

私が近付いていくと、蓮様がにこりと微笑んでくれた。

「ええ。もうすぐお姉様の番ですもの。寝てなんていられませんわ。ところで蓮様?何を召し上がってらっしゃるの?」

どうもパーティーメニューにはない物を召し上がってらっしゃるように見える。焼いた卵の上に赤い色で8?と書かれている気がする。オムレツかしら?

「ああ、オムライスだよ。ちょっと勇気を貰いたくて、最上さんに無理言って作って貰ったんだ」

お姉様が特別に……蓮様のために特別に……。それに勇気を貰うって…………。

ふう~ん。

「ねえ、蓮様。そのオムライスの力で勇気を出して頑張って告白して下さいませ。そして早くお姉様と結婚して子供を作って下さいね。私もさすがに一回り以上年が離れているのは嫌ですもの」

「………………へっ?」

私がそう言うと、ポカンと口を開けた蓮様は、食べていたお姉様特製のオムライスを喉に詰まらせ咳き込んだ。ゲホゲホ、ゴホゴホと息を吐き出し、私の差し出したお水を勢いよく飲み干した。

蓮様がこんなに動揺したの見たことない。

紅くなった蓮様、ちょっと可愛いわ。

蓮様の新しい一面を見れて、私はウキウキとした気分でお姉様に近寄っていった。

お姉様にも早く蓮様の気持ちに気付いて落ちていただかないとね。

「お姉様ーっ!!」

私が呼ぶとお姉様がにこりと笑ってくれた。

大好きなお二人のためにも、そして私のためにも、頑張ろうっと。





<後書き>
蘭子ちゃまからのバースデーリクエスト。夢シリーズマリアちゃんバージョン。このシリーズで書いてて一番楽しかったです。お題を全部消化できているでしょうか。でもお題がある分書きやすかったです。お題「夢シリーズをマリアちゃんで。そしてマリアが蓮キョの息子を青田買い。マリアは息子にメロメロ。最後は一回り以上離れたくないマリアが蓮に発破をかける」でした。蘭子ちゃまが想像していたような話になったでしょうか。ドキドキ。
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