花とゆめ連載「スキップ・ビート!」の感想&二次SS中心です。当サイトはリンクフリーです。
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☆「ラストワン~ほんのり甘い大人の微糖」
2015年08月26日 (水) | 編集 |
※注意
またまた腐な内容なので苦手な方はお読みにならないで下さい。

一応「ラストワン~ほろ苦い大人のブラック」から続くお話です。





「ラストワン~ほんのり甘い大人の微糖」





終業時間の終わったオフィスの休憩スペースで、赤いネクタイをした男がソファに凭れて休んでいた。よほど疲れているのか、目の上に濡らしたタオル地のハンカチを乗せている。

そこへエンジのネクタイを締めた男が、同じく疲れた様子で現れた。いつもはきっちり締めているネクタイを少し緩めている。男は自販機の前で立ち止まり、コインを入れた後何かに気付き手を止めた。

「……また売り切れか………」

ポツリと呟きがくりと肩を落とした。

その声に反応して赤いネクタイの男がハンカチを外す。誰かがいるのはわかったが彼だとは思わなかったのだ。

「お疲れ。何?どうしたの?」

「ああ……コーヒー……なくて」

ないとわかってより一層疲れが増したのか、エンジのネクタイの男は疲労感を露に答えた。はあとため息まで漏らす。

赤いネクタイの男は脇に置いていた缶コーヒーを左手で掲げ、右手を顔の前で立てた。プトップはすでに開いている。

「悪いね、これが最後の一本だったんだ」

「また?ズルい!!」

エンジのネクタイの男が思わず言い放つと、赤いネクタイの男はニヤリと笑ってそれを口にした。まだ残っているようだ。

その態度にエンジのネクタイの男は少し苛立って手を伸ばした。

「俺まだ仕事なんだけど」

だから寄越せと言外に匂わせれば、赤いネクタイの男もニヤリと笑う。

「俺もまだまだなんだ」

悪いね、と言ってまたぐびりと飲んだ。

エンジのネクタイの男はそれを見てムーと口を尖らせた。いつもならこんなことでここまで粘ったりしない。けれど今日は特別疲れていた。いつもより甘いコーヒーを求める程に。どうやってこの冷たい男を陥落させようか。しばらく考えてふと思い付いた。

「一口だけ……ダメかな?」

背を屈ませあざとく上目遣いをすれば、目の前の男はふうと息を吐いて笑った。仕方ないな、という仕草だ。

してやったり。エンジのネクタイの男は内心でガッツポーズをした。

「ん」

ちょーだいと缶コーヒーに手を伸ばせば、缶コーヒーではなく赤いネクタイの男の手を握らされる。

「………………?」

疑問に思っている目の前で残りのコーヒーを飲まれてしまった。

「あーっ!!!」

叫んだ瞬間にその手をぐいっと引っ張られ、体を引き寄せられる。そして眼前に赤いネクタイの男が迫ってきたと思ったら口を何かに塞がれた。キスされている。それに気付き、こんなところで……と焦っているとぬるりとした液体を口内に注ぎ込まれた。

芳ばしい香りと苦味とともにかすかに甘味を感じる。舌と芳醇なコーヒーの香りが口の中で暴れだす。

「~~~~~~っ!!」

息苦しそうにもがき、エンジのネクタイの男は赤いネクタイを引っ張り抗議した。そこでようやく解放される。

「長いんだよ、バカっ!!」

「いつもより甘く感じただろう?」

「…………ばか」

悪びれなくにんまりと笑う赤いネクタイの男に、エンジのネクタイの男は顔を赤らめ小さく呟いた。

「お前のおかげで疲れ取れたわ。よっしゃ!もうひとがんばりしますか!」

ニッと男らしい笑みを浮かべ、赤いネクタイの男はひょいと缶コーヒーをゴミ箱に投げた。しかしそれは入らずコロコロと床を転がっていき、エンジのネクタイの男の足に当たる。

「悪い!入れておいて。次はお前が最後の一本寄越せよ!もっと甘いの期待してるぜ~、じゃあな」

ヒラヒラと手を振り、彼は休憩スペースを出て行った。

「~~~~~っ/////」

一人残されたエンジのネクタイの男はへなへなと床に蹲った。その顔は真っ赤に染まっている。そして転がった缶を拾い上げた。

「どこが“ほんのり”なんだよ。かなり甘いじゃないか」

顔を赤らめたまま、缶に書かれた文言にぼそっと突っ込むその姿は、まるで乙女のようだった。

『譲れないほど美味い、ほんのり甘い大人の微糖』




【ネットおまけムービー】




最近あの二人を見ているとドキドキする。

左ポケットに入れたベージュのネクタイの上から心臓を手で押さえ、男は唸った。別に恋心を抱いているとか言う訳ではない。二人のキスを、いや、口移しのシーンを見てしまったせいだ。

それは数日前の出来事。休憩スペースでのことだった。ソファの陰で一部始終をこっそり見てしまったのだ。顔を赤く染めて蹲る男は、まるで乙女のよう。男はそう思った。そして自らも顔を赤らめた。何だかドキドキする。心臓が激しく鼓動しているのがわかった。秘密の会瀬を盗み見見てしまったせいか、それとも赤いネクタイの男の男らしい強引さにときめいたのか、エンジのネクタイの男の色気にやられたのか、自分の気持ちがわからない。

そしてエンジのネクタイの男が去った後、来たときと同じように別の意味でため息を吐いてその日は何とか帰ったのだ。

それからずっとこうだ。秘密の会瀬を盗み見見た焦りがそうさせているのだ。そう思いたい。

ベージュのネクタイを握り締め男はふうと息を吐いた。

「お疲れですね。どうかしました?」

隣に座っている後輩が声をかけてきた。何を隠そうこの男が口移しをしていた片割れである。正確には口移しをされていたというべきか。

「別に……」

まともに顔を見ることが出来ず、ベージュのネクタイの男は視線を反らした。

「…………」

二人の間に沈黙が訪れる。気不味くなったのか、エンジのネクタイの男は席を立ち部屋を出て行った。

「はあ~。どういう顔したらいいんだよう~」

ベージュのネクタイの男はガシガシと頭を掻いた。後輩の秘密の顔を知ってしまい、恥ずかしいというか、なんというか。

「普段は爽やかでかっこいいのに、なんであんな可愛くて色っぽいんだ……いやいやいや」

頭を振って自分の言葉を否定する。色っぽいなんてあり得ない。自分は女の子が好きなはずなのに……。

ベージュのネクタイの男はまた特大のため息を吐いた。

「あの……余計なお世話かもしれませんが、お疲れのようなので一度休憩して、これ飲みませんか?」

いつの間に戻ってきたのか、エンジのネクタイの男が缶コーヒーを差し出してきた。

あのコーヒーである。

「い、いらない!悪いけど今欲しくないから!お、俺顔洗ってくるよ!」

あの時の出来事が脳裏ををかすめ、ベージュのネクタイの男は慌てて断った。そして不自然な程急いで立ち上がり、そそくさと部屋を出て行った。

「………………」

受け取られなかった缶コーヒーを眺め、エンジのネクタイの男は首を傾げた。




その夜。

エンジのネクタイの男が休憩スペースで缶コーヒーを飲んでいると、赤いネクタイの男が声をかけてきた。

「お疲れ!今日はもう終わった?」

「いや……まだ……」

「そっか、そっちもか……って、あ!」

自販機の前で立ち止まり、赤いネクタイの男は声を上げた。

「何?どうしたの?」

「また売り切れなんだよ~」

「残念だったね。これが最後の一本だよ」

エンジのネクタイの男はニコリと笑って缶コーヒーを掲げた。

「もちろんくれるんだろう?」

「どうしようかなあ♪」

「頼むよ」

この間とは逆だなと思いながら、エンジのネクタイの男は笑い、後ろ向きになってコーヒーを口に含んだ。そして前に向き直るとちょいちょいと指を曲げて、赤いネクタイの男を呼び寄せる。

「何?くれるの?」

そう言って嬉しそうな表情で赤いネクタイの男がいそいそと寄ってきた。その赤いネクタイを掴み、ぐいと引き寄せる。そしてその勢いのままにエンジのネクタイの男は男の唇を奪うと、その口の中にコーヒーを流し込んだ。

「っ!!!!」

全てを移し終えてからエンジのネクタイの男は赤いネクタイの男を解放した。咄嗟のことに反応出来なかった赤いネクタイの男がぜーはーと肩で息を吐いて膝を着く。

「どう?前より甘かった?」

ニコリと爽やかな笑顔を浮かべ、エンジのネクタイの男が床に座り込んだ男に手を差し伸べる。引っ張り上げられて立ち上がった男の顔は真っ赤だ。その顔を見てエンジのネクタイの男はくすくす満足そうに笑う。

「じゃあね!お互い糖分補給出来たし、頑張ろうね♪」

ヒラヒラと手を振り、缶コーヒーをゴミ箱に投げ入れ、エンジのネクタイの男は上機嫌に休憩スペースを出て行った。去り際にとびきりの笑顔を浮かべて。

「~~~~~~//////」

赤いネクタイの男は更に赤く染まった顔を両手で覆い隠し、しばらくそこで硬直していた。




「やられたあぁ~~~!!」

「なんで俺までぇ~~~!!」

「……………………」

缶コーヒーの新しいCMの絵コンテを囲み、男二人が叫んだ。もちろん貴島と社である。その隣の蓮は無言で、何とも言えない表情を浮かべている。眉間に若干皺が刻まれているように見えるのは気のせいではないだろう。

「まあ社さんはネットだけですし、出番もそんなにないですし……」

貴島のマネージャーがそうフォローするが、社の顔は晴れない。だいたい出番の多さの問題ではなく、その内容の方が問題なのだ。

そして一方で俳優二人組はというと、どんよりと背後に重たい空気を背負っていた。

「これ……もうどっちがどっちって言うレベルじゃないよね……」

地の底まで落ちているかのような情けない声で貴島が呟く。

「この間の会話が聞かれていたんでしょうね」

でないといきなり口移しだなんて、あり得ない。普通公共に流れるCMで男同士のこんなシーンを作るか?一般の需要があるとは思えない。一体どんな層をターゲットにしているのだろうか。蓮ははあとため息を吐いた。

「ま、まあ……ドラマでも男同士のそういうのあるじゃないですか。その練習だと思えば……」

何の助けにもならないことを言う貴島のマネージャーを、三人は胡乱な瞳で見上げた。





<後書き>
終わっているようですが、まだこのネタはラスト一本あります。先に謝っておきます。社さん好きな方すみません。

この作品も
<ポーピーピー缶コーヒー販売所♪>に掲載させていただくためのものです。そちらには私めのより格段に面白い作品がそろっておりますのでぜひぜひお読みになって下さいね♪

リンク先
*『ポーピーピー缶コーヒー販売所♪』

またpopipi様のサイトも併せて。
*『popipiの妄想ブログ♪』
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コメント
この記事へのコメント
うはぁ♪
ニヤニヤしちゃうっ♪(/ω\*)
う腐う腐♡

や、社さんっ( ; ゜Д゜)ww

こちらもありがたく頂戴させて頂きます~(///∇///)
2015/08/27(木) 07:00:05 | URL | popipi #-[ 編集]
私のヤッシーが!
私のヤッシーが俳優デビューしてる!
うふふ。と思ったら腐……。
いえ楽しいんですけどね。まさかラストは社×蓮なんてことは……。恐いけどお待ちしてます。
2015/08/29(土) 01:54:23 | URL | 柊 琴 #-[ 編集]
わー
本当ですね。正しく腐。
社さん可哀想。見ちゃって悶々としてるんですね。そして顔を赤く染めた貴島さんが可愛いです。
2015/08/30(日) 04:21:03 | URL | Aesop #-[ 編集]
はまりそうです~
いきなりの薔薇な内容にビックリです。
はまりそう!
本人達の内心を思うとプププ。飛び火した社氏がかわいそう(笑)。
2015/09/04(金) 22:20:07 | URL | コメコDX #-[ 編集]
えっ!
一瞬目を疑いました。
社さん蓮さんがかわいそうです!貴島くんは意外に楽しんでやりそう。
私はどちらかというと蓮×社に萌えます。赤くなってるのは蓮に恋したってことで続くことを期待して。
2015/09/08(火) 21:45:08 | URL | ひばりヶ丘花屋敷 #-[ 編集]
にゃーん(-∀-)
なんてこった口移し!
コーヒーを貰うだけなのになんてエロい。
はわはわっ。
鼻血ブーだにゃー(-∀-)
2015/09/19(土) 04:08:43 | URL | みけ #-[ 編集]
じっくり読んでしまいました。
子供を祖父母に預けている間に母は素敵な腐作品を堪能させていただきました。
いや~、まさかこちらでこんな腐女子ノリな作品に出会えるなんて思ってもいませんでした。
コーヒーの販売所さんはAmebaさん?なんですかね、なんかこのリンクからでは読めなくて検索かけて漫喫から読みに行きました。たくさん素敵な腐作品を読ませていただいてとても充実できました。
家でまして子供の前にではとても読めないですけど。
こんなCMあったら録画してコーヒー爆買して限定品とか手にいれたくなってしまいそうです。
巻き込まれ社さんがアワレ……。次はプラス社さんで三角関係とか楽しそうですよね。どんな形になるのか楽しみに待ってます。

プール熱と咳はその後いかがですか~?
2015/09/21(月) 17:21:53 | URL | 紅揚羽 #-[ 編集]
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