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☆◎「Butterfly」
2015年03月07日 (土) | 編集 |
「Butterfly」





私は蝶。

あなたという花の蜜の匂いに誘われて、ふわふわとあなたのそばを飛ぶ。

あなたの甘い香りにいつまでも包まれていたい。

そう思うのに……。

でも怖いの。

あなたに嫌われてしまうのが。

あなたのそばに私は相応しくない。

私は蝶。

臆病だからすぐにあなたから逃げてしまうの。



君は蝶。

美しい羽を優雅に羽ばたかせ、まるで俺を誘うように俺のそばをひらひらと舞う。

捕まえたと思う度、君は逃げてしまう。

俺が怖い?

俺の愛が君を縛るのが。

君の魅力を誰にも知られたくないだけなんだ。

醜い独占欲に蝕まれている俺。

君は蝶。

たくさんの男たちにその魅力を振り撒きながら飛んで行く。




純白のドレスを身に纏い、彼女は待っていた。彼女が最も愛している男が迎えに来るのを。

「本当に綺麗よ、キョーコちゃん……」

すぐそばに佇んでいるのは、彼女を我が子のように想い、慈しんでいる下宿先の夫婦だ。

「女将さん……ありがとうございます」

涙ぐむ女性に彼女は抱き着いた。

「幸せになりなさい……」

血の繋がりは全くではないけれど、彼女にとって両親と呼べる相手だ。

二人がいたから、今の彼女はある。

二人がいたから頑張れた。

決して口に出して言わないけれど、二人はいつでも応援してくれていた。彼女をいつもそばで見守り、時には厳しく、時には優しく諭してくれた。

彼女の瞳に自然と涙が浮かぶ。

「泣いたらせっかくの化粧が台なしだぞ」

「大将……はい!」

男の出したハンカチを受け取ると、彼女は涙を拭い笑った。

そこへ控室の扉を遠慮がちにノックする音がする。

「キョーコ、準備は出来た?」

扉から入って来たのは彼女の愛しい人。今から彼女と永遠の愛の誓いを交わす男だ。

すらりとした長身を白いタキシードで包み、淡いピンクの薔薇の花を胸元に挿している。

「あらあら、もうそんな時間かい?じゃあ私らは外で待ってるからね」

「女将さん……はい!」

「幸せにな……」

夫婦が出ていくと、部屋には彼女と男だけになった。

静寂の中、鳥のさえずりだけが聞こえてくる。窓からは溢れんばかりの光が差し込み、二人を優しく照らした。赤い糸で結ばれた二人を祝福するかのように。

辛いこともあった。悲しいこともたくさんあった。これからだってきっと楽しいことばかりじゃない。

でも、この人がいれば大丈夫。どんなことがあってもこの人となら乗り越えられる。

この人のそばにいつまでもいたい。この人となら幸せになれる。この人と一緒にいつまでも幸せに暮らしたい。

まるでお伽話のお姫様のような願いだ。でも彼女はずっとそんな話に憧れていた。一度は心の奥底にしまい込み、自分でもわからないように隠していた本当の願い。

愛する人と幸せになりたい。

彼女は男の手を握った。

「私、今本当に幸せです」

微笑んで彼女が言う。

「俺も幸せだよ。ずっと一緒にいようね」

「はい……」

嬉しそうに笑う彼女を見て、男も微笑んだ。

あの頃から変わらない彼女の笑顔……。

男は思い出していた。彼女と初めて出逢ったあの日のことを。そして再会したあの日のことを。

思えば最初から惹かれていたのだ。

僅かな間でしかなかった出来事をいつまでも鮮明に思い出せたのはなぜか。気にくわない相手のはずなのに、気にかけずにいられなかったのはなぜか。

運命の糸は最初から繋がっていた。

遠い昔、初めて出逢ったあの日からずっと。

「綺麗だよ……」

男が彼女を見つめて言う。

「あなたの隣にいてもかすんじゃわない?」

クスクスと男は笑って彼女の髪に優しく触れた。

「むしろ俺がかすむよ。本当に綺麗だ……」

男の言葉に彼女ははにかんで頬を赤らめる。

そんな表情が可愛くて、愛しくてたまらない。

男の視線に耐え兼ね、彼女は俯いた。

その顎を長い指が持ち上げる。

「愛してるよ」

「私も愛してます」

男の唇が彼女の唇に重なった。

触れるだけの優しいキス。

愛し合う二人の耳に、鐘の音が鳴り響く。

二人は誓う。永遠の愛を――。




君は蝶。

俺の廻りをひらひらと飛ぶ、美しく可憐な蝶。

飛ぶのに疲れたら俺のそばにおいで。君を優しく包んであげるから。

君は蝶。

俺だけの蝶。



私は蝶。

あなたという運命の花に巡り逢えた、幸運な蝶。

あなたの廻りを飛んで、疲れたらあなたの匂いに包まれて眠る。

私は蝶。

あなただけの蝶。





<後書き>
樹麒麟様の結婚祝いにあげたものです。どうせなら「エタニティ」みたいな感じでと言われて、やはり結婚式ネタに。
結婚式で連想されたのが木村カエラの「Butterfly」でした。
サリーちゃんと二人で仕上げてたらなんか似てしまいました。サリーちゃん作は頂き物「Honey」参照。
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