花とゆめ連載「スキップ・ビート!」の感想&二次SS中心です。当サイトはリンクフリーです。
  • 07«
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • 6
  • 7
  • 8
  • 9
  • 10
  • 11
  • 12
  • 13
  • 14
  • 15
  • 16
  • 17
  • 18
  • 19
  • 20
  • 21
  • 22
  • 23
  • 24
  • 25
  • 26
  • 27
  • 28
  • 29
  • 30
  • 31
  • »09
スポンサーサイト
--年--月--日 (--) | 編集 |
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

☆◎「mischief-cat」
2015年03月07日 (土) | 編集 |
「mischief-cat」





明日は久々のオフだった。

特に役作りで困っていることはないし、久々の休みをどう過ごそうか。

そう思ったとき、ふいに最上さんの顔が思い浮かんだ。

『ちゃんとお食事なさってますか?』

共演したダークムーンの休憩中、彼女は俺にそればかり尋ねてきた。

『そんなに信用ないかな?昨日もちゃんと食べたし、今日も食べたよ』

『ホントですか?言っておきますが、なんとかゼリーとかなんとかメイトは食事じゃありませんよ』

なんて会話をしていたのが懐かしい。

彼女の出番がなくなってしまったので、あれからずっと会えていない。

携帯に着信がある度期待したが、用もないのに彼女がかけてきてくれるはずもない。いつもならすらすらと出てくる口実も思い付かなかった。

そろそろ最上さん欠乏症で死にそうだ。

「社さん、今彼女は仕事中ですかね?」

「ん?いや……確か…今日はもう終わってるはずだ。ちょうど今事務所にいるんじゃないか」

俺が『彼女』と言っただけで、社さんは欲しい答えをすぐくれた。

最近は最上さんとのことをからかうでもなく、どこから手に入れてくるのか、こうして彼女の情報を教えてくれる。彼女がバラエティーに出る日や新しいドラマ出演の話など。社さんがくれた情報をもとに、俺はさも偶然を装って彼女に会いに行き、彼女が今気になっているだろう役作りやその他の話題に触れる。

最上さんが嬉しそうに話してくれる。それだけで幸せな気分になれる……のに、ここ一ヶ月、彼女に全く会えていない。

事務所にいると聞いて、わざわざ寄る必要もない事務所に赴き、部室を覗いては、ほんの数分差で行き違いになる。そんな日がずっと続いていた。

今日こそは!

そう思って急いで事務所に向かった。

携帯を鳴らしてアポでも取ればいいのだが、そんな勇気、今の俺にはない。あくまでも偶然…という形にしたいのだ。

込んでいる大通りを避け、抜け道ばかり選び車を走らせていた俺の耳に、携帯の着信音が聞こえた。思わず舌打ちして路肩に車を停める。発信人は……最上さんだった。

「何かあった?どうかしたの?」

「敦賀さん!社さんからお伺いしたんですが、明日お休みなんですよね?実はお願いがあって……今からお宅にお邪魔してもいいですか?」

「いいけど……」

「ちなみに敦賀さん、猫って苦手ですか?」

「そんなことないよ?一体どうした……」

続きを聞く前に最上さんは「よかったあ!ではお待ちしてますね!」と喜んで電話を切ってしまった。

一体なんだというのだろう。

猫?

というか、俺は事務所に行って彼女を捕まえなくても自宅で待っていればいいのだろうか?

社さんと話したなら、俺が事務所に向かっていることぐらい聞いただろうに……。最上さんに電話をかけたが繋がらない。仕方なく社さんにかけたら、

「それがさあ…それ言う前にキョーコちゃん、電話切っちゃって……」

と困っていた。

全く……なんて慌て者なんだ。

俺は車をUターンさせて自宅へと行き先を変更した。

程なくして自宅に着くとすでに彼女は来ていた。小さな茶色い何かを抱きかかえ、両手にたくさんの袋を持っている。

「お待たせ。とりあえず乗って?」

「はい……」

最上さんは乗り込むとすぐ俺に謝罪した。

「あの……すみません。急に電話してしまって……」

しゅんとうなだれ、上目遣いでこちらをちらりと窺っている彼女……可愛い。

つい緩んでしまった口許を片手で隠し駐車場へ向かう。

手早く駐車し、荷物を持とうと後部座席に手を伸ばすと、最上さんの腕の中で眠っていた子猫が急に目を覚ました。

「す、みません。今日来たのは実はこの子を……」

「話は後。さあ、部屋へ行こう」

荷物を持ってから降りるよう促すと、その子猫は最上さんの後にすりよりながら付いていく。エレベーターの中では抱き上げられ、ずっと彼女の胸にへばり付くように顔を埋めていた。

何故だか無性に腹が立った。そしてそれに気付いて己の心の狭さに自己嫌悪に陥る。

猫にまで嫉妬するなんて、最低だな。

「お邪魔します」

「ニャニャーン」

部屋に入ると、彼女が礼儀正しく頭を下げた。そしてまるでそれを真似るように猫も頭を下げる。

「あ、クオン!あなたはダメ、ここで足をちゃんと拭いてからよ!」

最上さんがそう言うと、猫は素直に彼女が出したタオルの上で足を擦った。躾が行き届いているようだ。

それにしても、今クオンって呼んだ?

居間まで案内すると、最上さんは早速事の顛末を話してくれた。

どうやらラブミー部の仕事だったのだが、引き受けた琴南さんが明日からロケに入ることになり、急遽最上さんにこの猫の世話が回ってきたらしい。ただ、最上さんの現在住んでいる所が料理屋のため、連れて帰るのを悩んでいたところ、社長が余計なことを吹き込んだみたいだ。

『蓮のマンションならペットOKだったはずだぞ?それに確か、あいつ今日は早く終わるはずだ。社に聞いてみないとわからんが明日もオフだったような……。これから兄妹の予行演習として……いや、なんでもない。とにかく、君と猫一匹、一泊ぐらい問題ないだろう』

社長はそう言ったそうだ。

なんてことを提案するんだ、あの人は!よりにもよって最上さんに飢えている時に。

それにしても予行演習って何のことだ?兄妹?社長がまた何か企んでいるのだろうか。

「ウニャ、ニャニャ~ン!」

俺が社長の謀計を思案していると、クオンが一心不乱にキッチン側の扉をを引っ掻いている。最上さんにずっとくっついていたいらしい。

そう。この猫、クオンと言うらしい。ただ、それが猫の本当の名前かどうかは不明だ。琴南さんから預かった時、最上さんが名前を聞くのを忘れてしまい、思い付いた名前を適当に呼んだらこの名前に反応したらしい。

茶色い毛並みが太陽の光に照らされ、金色に見えたから……。

そう言ってほんのり頬を染めた彼女。

抱き締めて俺がクオンだと名乗り出てしまいたい。

最上さんがクオンと呼ぶ度ドキリとする。いつか彼女にそう呼んで欲しい。彼女だけに。俺の本当の名前を。

思わず恨めしそうにクオンを見ると、生意気にも俺を睨み付けてきた。

ああ……こいつに嫉妬しそうだ。

だいたい、せっかく最上さんが俺の部屋に来てくれているというのに、二人きりになれないなんて。なんて邪魔なやつだ。

俺がそう思っていることを感じたのか、最上さんが食事を作ってくれている間、クオンと遊んでやろうと手を伸ばすと、フーッと毛を逆立て思いっきり威嚇されてしまった。しかも出した手を引っ掻こうしてくる。

どうやら敵愾心を持たれてしまったらしい。

先が思いやられるな。

思わず苦笑すると、クオンはプイッとそっぽを向いて部屋の隅に行ってしまった。なのに……。

「お待たせしました!」

匂いにつられたのか、最上さんが料理を運んで姿を見せれば俊敏に反応し、彼女にすりよっていく。

「ニャ~ン」

甘えた声でゴロゴロと足下にじゃれるクオンを、最上さんは苦笑しながらも優しく撫でた。思わず羨望の眼差しで見つめれば、クオンが俺を見てニヤリと不敵に笑う。

ムカつく!!

反撃してやる……。

「も、最上さん、俺そろそろお腹減ったんだけど……」

俺の一言に、最上さんがすぐにクオンを離れ、キラキラと嬉しそうな表情で運んできた料理をテーブルに並べてくれた。

猫に対抗する手段とはいえ情けない。いや、そもそも猫に対抗心って……。ますます落ち込むな。

自己嫌悪に陥りながらも、俺は最上さんの手料理に舌鼓をうった。彼女の隣では同じくクオンも彼女の用意したエサをガツガツと食べている。

「クオン、美味しい?」

彼女が声を掛ければ、クオンはもちろんと言わんばかりにニャンと鳴く。そして彼女の膝の上に足をかけ、彼女の頬をペロリと舐めた!!

なんて羨ましい……。俺ならその隣の唇を……。

ダメだな、俺。

「美味しくないですか……?」

自己嫌悪にため息を漏らした俺に、最上さんが尋ねる。

「いや、本当に美味しいよ。ただ次に君の手料理を食べられるのはいつかなって考えるとね……」

「そんな……依頼していただけたらいつでも作りに来ますよ?」

依頼か……。君が自分から来てくれたら嬉しいんだけどな。

なんて…そんなこと言えないけど。

「ありがとう。その時はよろしく」

笑顔を作ると最上さんが安心したように「もちろんであります」と冗談めかしに返してくれた。

夕飯を食べ終わり、いつもなら二人で後片付けをするところを、あまりにクオンが鳴くので今夜は俺が一人ですることになった。ますますもって迷惑な奴だ。

それ自体は別に嫌ではない。ただせっかくの二人きりの時間を邪魔され、その間あいつが彼女を独占しているのだと思うと、どうしても腹が立ってしまう。

しかも俺が後片付けをし終えて居間に戻れば、奴は最上さんの膝の上にいた。全身を撫でられ気持ちよさそうにしている。

「……図々しい奴だ」

「何かおっしゃいましたか?」

ボソリと呟いた醜い心音を、彼女が純粋そうな瞳で聞き返してくる。

本当ならそこは俺のもの。

俺だって彼女の手で撫でてもらいたい。

でもそんなこと言えない。言える訳ない。

「何も言ってないよ」

それからしばらく他愛のない話しをしていたら、いつの間にかクオンは最上さんの膝の上で寝てしまった。

「ふふ、寝ちゃった。なんだか可愛い。赤ちゃんみたい」

クオンを撫でながら最上さんが幸せそうに笑う。

「なんなら俺と作る……?」

「……へ?」

ポカンと口を開けた彼女の顔がかなりおかしくて、俺はつい吹き出してしまった。

「……く、はは……ははは………」

「~~~~っ////」

「冗談だよ。冗談」

「酷い!」

真っ赤になって怒る彼女を宥め、風呂に入るよう勧めた。

「クオンをお風呂に入れてあげたかったんですが、寝ちゃったし仕方ないですね。今日は一人で入ります」

一緒に風呂?なんて羨ましい。

「寂しいの?なんなら一緒に入る?」

「もうその手には引っ掛かりません!寂しくないので一人で入ります!!」

「そう……残念」

俺が笑いながら言うと、彼女はぷんぷんと怒りながら浴室に向かった。

「本当に残念だよ。いつか、冗談にしてあげられなくしてあげるけどね」

聞こえないのはわかっているけれど、言わずにはいられない。

最上さんが風呂に入ってからしばらくして、クオンが目を覚ました。傍に彼女がいないとわかると騒がしく鳴き出す。

「何が言いたいんだ?生憎最上さんならお風呂だぞ」

俺がそう言っても、クオンは相変わらずニャーニャーと鳴いている。

「ニャーン。、ニャニャー。ニャニャニャニャニャニャニャン」

さっきからこの子猫は俺に何を伝えたいのだろう。今度は嫌いなはずの俺に近づいてきて膝を引っ掻きながらひっきりなしに鳴き続けている。

「ほんとに何が言いたいんだ?」

彼女がいなくて心細い……違う!そんな鳴き方じゃない!

「まさか、最上さんに何かあったんじゃ……!」

そう言えばやけに入浴時間が長い。

焦ってクオンを抱き上げ、慌てて浴室に入っていくと……。

「い……い、いっやあ――っ!!」

養成所で鍛え上げられた彼女の絶叫が洗面所に響き渡った。

「な、なんで入ってくるんですか!?」

「いや……その……」

どう言い訳しようか思考を巡らせ俯けば、どうしても半裸な彼女の胸の谷間や足が目に入る。下着にバスタオルだけを巻き付けている姿は目の毒だ。

「ごめん……」

下手な言い訳よりも早くこの場から逃げたくて、俺はそう言い捨て後ろ手でドアを閉めた。心臓が早鐘を打つ。下半身がもたげ始める。

「俺としたことが……」

なんとか鎮め、居間に戻ればクオンがフフンと笑って待っていた。

……負けた。

たかが猫。されど猫。

敗北感にうちひしがれていると、最上さんが恥ずかしそうに風呂から上がってきた。蒸気したピンク色の肌が先程の半裸を思いおこさせる。

「最上さん…さっきはごめん。クオンがあんまり鳴くから君に何かあったんじゃないかと思って……」

「私こそすみません。あんなに騒いだりして」

「いや、ちゃんと声をかけるべきだったよ。ほんとにごめんね」

「敦賀さん……」

「じゃあ、湯冷めするといけないから早く休んで。クオンも待ってるし」

賢い猫は俺が勧める前に客室前にすでに歩き始めている。

「クオンのふとんはタオルケットでいいかな?」

「いえ、一緒に寝ます。飼い主さんがいつもそうしているらしいので。じゃあ、お休みなさい」

一緒に寝る?いっしょのベッドで?

気になって俺はドアに耳を押し付けた。

「ほら、おいでクオン。キャっ……、クオンったら!そんなとこ舐めちゃ…ん…っ、ダメ!……やんっ……あん!」

一体どこを舐められているのか、最上さんが艶かしい声を上げる。

俺が隣で聞き耳をたてているとは露知らず、彼女は更に俺を煽るようなことを言う。

「ク…クオンったら服を捲っちゃダメ~」

ふ、服を捲る!?

う、羨ましい。

……っていや。そうじゃない。そうじゃなくてあのハレンチ猫は最上さんに何するんだ!服を捲ってどうするつもりだ!

「ひゃん……!くすぐったい……ああん!やん……っ、服の中には…入っちゃだめ~」

クオンのやつ~~!!

なんてことを最上さんにしているんだ!

拳を床に叩きつけたくなったがそれでは気付かれてしまう。怒りを鎮めるため、俺は仕方なく風呂に入ることにした。

頭に浮かぶのは生意気な子猫と最上さんのことばかり。

最上さんの膝の上で眠る子猫。最上さんの頬を舐める子猫。最上さんの布団の中に潜り込み、あまつさえ服の中にまで……そう考えた所で、下半身が疼くの感じた。

これはヤバい。何か別のことを考えないと……。

そう思いながらも、一度浮かんだ不埒な想像は中々消えず、頭を切り替えることが出来ない。浮かんでくるのは更にヤバい妄想だけだ。

最上さんの頬を舐めるクオン。最上さんの服の中に潜るクオン。そして最上さんの胸を……。

いつの間にか猫のクオンがクオンの姿へと変わる。金髪の、昔の姿の俺。

妖精だと彼女が言ったクオン。

最上さんの頬にキスをする俺。最上さんの服の中に手を入れ、その躯を撫でる俺。最上さんの胸の頂に……。

ダメだ……。

さっき鎮めたはずなのに、完全に下半身がもたげてしまった。

こんな姿を彼女に見られたら……。

俺は急いでトイレに駆け込んだ。もちろん前屈みで。

先程見た彼女の躯を思い出しながら自分を慰める。

まさか抱かれたい男ナンバーワンの自分がこんな思春期の小学生みたいな真似……自己嫌悪に陥りながらも手を止めることなんて出来なかった。

夜明けまで後6時間。長い夜が始まった。





<後書き>
すみれ様すみません。大変大変お待たせいたしました!!!なのにこんな出来になってしまいました。ほんとにほんとに申し訳ございません 。
長いことお待たせし過ぎたため、色々不都合があり、付け加えてみたりしましたがうまく誤魔化せているとよいのですが…。
お題をすべて消化しきれず、なんかほんと申し訳ありません。色々変遷したのを入れて余計変になってしまいました。ごめんなさい。
タイトルはいたずらな猫とエロ猫とをかけたnaughtyか迷いましたが、やはりこちらにしました。だってエロいのは妄想した蓮だもん(笑)。いたずらっ子と仲を引き裂く邪魔者という意味です。

スポンサーサイト

コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 

トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。