花とゆめ連載「スキップ・ビート!」の感想&二次SS中心です。当サイトはリンクフリーです。
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☆◎「エセ紳士はコスプレがお好き」
2015年03月07日 (土) | 編集 |
「エセ紳士はコスプレがお好き」





俺はなんて独占欲が強いんだろう。

自分でも嫌になるくらい狭量な男だと自覚して嘲笑した。

今の俺には彼女を束縛する権利も資格もないはずなのに。

鏡に映る俺は『俺』であって『俺』でない。それでも彼女に傍にいて欲しい。彼女を『俺』のものにしたい。『俺』だけのものにしたい。

醜い欲望を払拭するようにもう一度顔を洗い、リビングへと急いだ。

もうすぐ愛しい彼女が出演する番組の時間だ。俺のエゴで彼女を困らせた。その結末を見届けなければならない。




それは一週間程前のことだった。

カインとして部屋に帰ると、珍しく彼女はセツカを演じていなかった。

「どうしよう~。こんなんじゃ全然カリスマじゃないよー。うぅ」

俺が帰ってきたのにも気付かず、最上さんは鏡の前で仁王立ちで唸っていた。ピンクのウィッグを付けたセツカの姿で、明らかにセツカ用ではない服装を着用している。セツカが選びそうにない、淡いライムグリーンのヒラヒラとしたワンピース姿の彼女。しかし、拭いようもない違和感はそのせいだけではない。なぜか背中からは透けた蝶の羽のような物が生え、頭には二本、触角のような物を付けていたのだ。

「ううぅ。せっかくの可愛い妖精衣装なのに…やっぱり諦めないとダメね……」

最上さんは残念そうに呟いて溜め息を吐いた。

そうか、あれは妖精の衣装なのか……。しかし妖精の何がダメなんだ?確かにセツカには似合わない衣装だが、普段の彼女になら似合いそうなのに。

一体どうしたのだろうとしばらく様子を見ていると、いきなり彼女は服を脱ぎ始めた。このままではヤバい。俺は慌てて彼女に声をかけた。

「……セツ。何してるんだ?」

「………っつ!」

最上さんは慌てて振り返り、そして真っ赤になった。

完全に素の表情だな……。

「~~~っ!」

声にならない声で蹲る彼女。

思わずくすりと笑うと、彼女は今にも泣きそうな表情で俺を睨み付けてきた。

「に、兄さん、いつ帰ってきたの?」

最上さんが精一杯セツカを演じて言う。

「……今だ」

「嘘!あたしが着替えるの見てから声掛けたんでしょ!」

間髪入れずそう言われ、少し落ち込んだ。たが認める訳にはいかない。

「だから今だって言ってるだろう」

「嘘よ!兄さん、破廉恥だわ」

「破廉恥?お前が言うな。お前だって俺の裸を見たろ?しかも俺の素っ裸を」

「に、にに、兄さんの意地悪~!」

俺の裸を思い出したのか、彼女はお湯が沸きそうなほど顔を真っ赤にし、今まさにぷしゅ~と音が鳴りそうだと思っていたら、突然ガバッと身を起こして俺を詰った。

その可愛らしい態度がツボに入り、思わず吹き出した。

「く、くく、は、はははは………」

あんまり俺がケラケラと笑うから、最初は怒っていた最上さんも少し落ち着いたようだ。

「……で、その恰好はどうしたの?」

一頻り笑った後、俺が彼女の瞳を見つめて穏やかに訊ねると、彼女は俺の変化に気付いたのか、最上キョーコとして答えてくれた。

「えと…実は……」



彼女の話はこうだった。

明日バラエティーの収録があり、その番組に「BOX“R”」として出ることになった。彼女はもちろんナツとして、他の共演者はもその役として収録に臨むのだそうだ。その番組が放送されるのがちょうどハロウィンの日らしい。だから出演者達は役のまま『ハロウィンの仮装をすること』という旨をつい先程事務所で聞いたばかりだと言う。

ハロウィンの仮装…社長が聞いたら喜びそうだなと思っていたら、やはりそうだったようで、最上さんが衣装がないと困っていると、社長が喜んで自分のコレクションから見繕ってきたそうだ。

ただ、問題は彼女演じる『ナツ』だった。ナツはカリスマモデルの女子高生で、そして悪魔のように美しく残忍だ。そんなナツには一体どんな仮装が似合うのか。

最上さんはそれを悩んでいたらしい。

「社長とミスウッズが一応選んで下さったのもあるんですけど……」

「ナツのイメージじゃない?」

「いえ…そのちょっと…ナっちゃんっていうか、私には似合わないかなあって……」

「社長やミスウッズが選んだんなら大丈夫なんじゃない?なんなら着替えてきたら?俺が見てあげる」

「ほんとですか!?ありがとうございます!」

最上さんは俺がそう言うと、いそいそ嬉しそうに着替えに風呂場に行った。俺がどんなことを考えているかも知らないで……。

彼女が最初に着てきたのは長いしっぽとふさふさと尖った耳が可愛い黒猫の衣装だった。首輪のようなチョーカーには、ご丁寧に鈴まで付いている。彼女が少し動くだけでチリンチリンと可愛らしい高い音が響いた。

しかし気になるのはそんなことじゃない。

なぜそこまで露出する必要があるのかと思うくらい、ホットパンツからは綺麗な脚が太股からさらけ出されている。しかも短いトップスからは臍がちらちらと見え隠れして、俺を悩ましく誘う。

この姿で時にはツンとそっぽを向いて、また時にはごろにゃんと甘えられたら、世の男どもはメロメロになってしまうだろう。しかも生足だ!!

「あの……どうですか?」

黙りこんだままの俺に不安になったのか、最上さんが上目遣いに訊ねてきた。

うう……、可愛いすぎる!!

「……ああ、うん…そうだね。悪くはないと思うけど…ナツにしては可愛いすぎかなあ……そのパンツもイメージじゃないんじゃないかな……?」

尤もらしく理由を取り繕ったが、要はその脚を隠したいだけだ。できれば臍出しキリギリも止めて欲しい所だが、それについては理由が思いつかなかった。

「そうですよね。やっぱりナツっぽくないですよね~。猫なんて。黒だからいいかと思ったんですけど…そうですね、わかりました。もう少し魔性っぽい感じにした方がいいうかしら……」

最後は独り言のように言いながら、彼女は次の衣装に着替えに行った。

しばらくして、彼女は黒く長いマントと黒いとんがり帽子を被って出てきた。どうやら魔女のようだ。ただし、なぜかマント下はワンピースで、スカート丈はかなり短かった。裾の部分はレースで覆われているものの、際どい部分が透けて見えそうだ。そしてそこからは惜しげもなく黒い網タイツに被われた、魅惑的な太股がむき出しなっている。

「確かにナツっぽくないね。そのマントとかも……」

「ですよね……。この帽子とかもナツのイメージじゃないし。う~ん、魔女じゃなくて魔性っぽいもの……」

また彼女はブツブツ言いながら違う衣装に着替えに行った。

いくらマントがあるからといって、あんなに露出しなくてもいいじゃないか……。またマントからちらりと見える脚……これがチラリズムという醍醐味か?いやいや、何考えてんだ、俺は!!

先程マントが翻った時に見えた艶かしい脚が脳裏を過る。

徐々に疼きを覚え出した下半身とは裏腹に、だんだん胃が痛くなってきた。おかしなことになる前にコーヒーでも飲んでとりあえず一回落ち着こう。

「あっ!敦賀さん、これなら小悪魔なナッちゃんにはぴったりじゃないですか?まあ、まんま小悪魔なので面白味はないですけど……」

俺がコーヒーを取りに行っている間に着替えたのだろう、彼女はまたまた露出の多い衣装で俺の目の前に現れた。

「…………」

もうなんと言っていいかわからず、咄嗟にコーヒーを一口含んだ。

そう…目の前に現れたのはセクシーに男を誘う小悪魔そのものだ。胸の谷間が見えるように空けられたハート型の穴も。ピッチリしたタイトなミニスカートも。そこからすらりと伸びたニーハイがセクシーな脚も。可愛いお尻からフリフリと生えた矢印のようなしっぽも。すべてが男を、俺を惑わす。

「あの……敦賀さん……?」

無言になった俺に、最上さんが小首を傾げて見上げてくる。その拍子に、頭に付けられていた二本の角が取れてしまった。

「うーん、やっぱりこの頭だとすぐ取れるなあ……あっ!そうだ!!」

最上さんは角を拾うとまたすぐに風呂場に引っ込んでしまった。

た、助かった!

あのままあの格好で近付かれたらヤバかった。何しろハート型の穴から胸の谷間がちらちらと誘うように視界に入るのだ。思わず手を伸ばしてそこから中へ入れたくなってしま……。

「バカか!俺は!!」

想像してしまった愚かな妄想を振り払うように首を振り、俺は声に出して自分を一喝した。

そんな俺の声に驚いたのか、最上さんが慌てて奥からやって来る。

「どうしたんですか、敦賀さん?」

「ブハッ!!」

出てきた姿に俺は思わず噎せてしまった。

「つ、敦賀さん、大丈夫ですか?」

俺が溢したコーヒーを彼女が慌てて拭き取りに来る。

「~~~っ!」

一段とグレードアップした露出の多い衣装で近付いてくる彼女。最早視線をどこへやっていいのかわからない。胸だけでなく太股、背中、臍。全てが俺の目の前に晒されている。

彼女の過激な衣装はついに黄色と黒のシマシマ下着…いや、水着?になってしまった。

「も、最上さん……その格好は……?」

視線を反らしたまま訊ねると、彼女はキョトンして俺を見た。

「敦賀さん、まさか知らないんですか?」

「な、何が……?」

「有名じゃないですか、ラムちゃん……」

「ラムちゃん?」

なんだそれ?

ともかく俺は君に今すぐその格好を止めて欲しい。

あああ…下半身が……ヤバい。だいぶ危険な状況だ。

欲望に負けそう……。

そう思った時、最上さんが俺から離れていった。

「ふーっ……」

息を吐いたとたん、彼女がまた俺に近付いてくる。

「あの敦賀さん…このラムちゃんの衣装……」

「ダメ!」

こんな危険な格好でテレビに、いや、他の男ども前に出るなんて許せない。

「へっ?じゃなくてこのラムちゃんの衣装の角をさっきの悪魔のに付け……」

「それもダメ!」

「じゃあ…今まで着た衣装でどれが一番ナツっぽいですか?」

「どれもナツのイメージじゃないね」

俺が冷たく言い放つと、最上さんはムッとしたようだ。

「でもそれじゃ着るものがないです!」

睨みながら言い返す彼女に、俺は内心嘆息した。俺の気も知らないで……。

「セツ……着替えろ」

「へっ…………?」

「お前の服を買うのは俺の楽しみだ。買いに行くぞ」

「…………は?」

「早くしろ。店が閉まるぞ」

突然カインになった俺に、彼女は呆気にとられていた。

それはそうだろう。今まで敦賀蓮と最上キョーコとして話していたのに、急にヒール兄妹を演じるなんて不自然だ。

しかし今はこれしか思いつかない。

『男が女に服を贈るのは下心があるからだ』

なんて忠告した手前、ただの先輩の敦賀蓮である俺が、服を買う訳にはいかない。

だが、かといってあんな衣装の彼女を他の男の前に晒したくない。ただでさえ、綺麗に羽化し始めた彼女に、馬の骨が増えてきてというのに。

だから最上さん。

俺が安心できるように、君をコーディネートしてあげる。

まだ彼女でもないのに、俺はなんて身勝手なんだろう。




あの後彼女に服を贈ったのだが、お互いそれぞれの忙しくて俺が贈った服を着てくれたのか聞けていない。

俺は彼女に、できるだけ露出の少ない、大人っぽく見える天使の衣装をプレゼントした。まんざらでもない表情だったので着てくれていると嬉しいのだが……。





<後書き>
とりあえずお誕生日おめでとう、サリーちゃん。今年もギリギリでごめんね。
ということで、サリーちゃんのバースデーリクエスト。「視聴者に嫉妬する蓮」でした。なんだかちょっと違うかなあと思いつつ、プロットでOKもらえたので書きなぐりました。ほんとは違うリクので作っていたのですが、とある事情で止めました。八割方書いていたのですが、ははは。土壇場で自分の首を絞めてしまいました(笑)。
キョーコに着させるセクシーなコスプレを探すのが楽しかったです。ちなみにキョーコちゃんが本当に天使のコスをしたのか、お好きなようにお考え下さい。
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コメント
この記事へのコメント
初めまして
初めまして、こんにちは。
セリカといいます。キョーコちゃんのセクシーなコスプレの数々を前にして慌てる蓮が面白かったです。あとラムちゃんに大笑い。必死でカインになってムラムラをおさえた蓮のがんばりがせつないです。
また読ませていただきまーす。
2015/03/09(月) 11:13:35 | URL | セリカ #-[ 編集]
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