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◎「ヒールな兄妹」
2015年03月07日 (土) | 編集 |
「ヒールな兄妹」





大好きな兄さん。

強くてかっこよくて、誰よりもアタシを好きでいてくれる人。

みんな「怖い」とか「いつも不機嫌そう」とか言うけど、全然そうは思わない。

だって兄さん、アタシの前ではちょーカワイイもの。

そりゃあ多少乱暴だし横暴だけど。仔犬みたいな瞳で甘えて。子供みたいにダダこねて。

だけどそれは秘密。

兄さんのことはアタシだけが知ってればいいの。

アタシを酷い妹だなんて思わないでね。

ただ兄さんを独り占めしたいだけなんだから。

だからお願い。

まだ誰のものにもならないで。

誰も好きにならないで。

ワガママだってわかってる。

でも好きなんだから、仕方ないでしょ!

だから、諦めて。

カイン兄さんはアタシのものなんだから!




「なんだかなあ~」

社長が遣した『妹』は、それはもうヤバイくらいブラコンな妹だった。

カイン・ヒールを演じているだけで神経を使うのに、四六時中この妹といろと言うのだ。

はっきり言って、拷問だ。

社長は俺に死ねって言いたいのか?

これじゃあ起きている間は――いや寝ている間もか――気が抜けない。

社長は俺の理性の脆さを知らないようだ。

今はかろうじて堪えているが、もし二人きりのホテルで妹に「大好き、兄さん」なんて言われてみろ。

俺はあっさりと理性を捨てるだろう。

だから最上さん、早くその役降りてくれないかな。

俺がそう思うのとは裏腹に、彼女はどんどんセツカに入り込んでしまっている。なんだか最初と違って生き生きしてしてきたのは気のせいか?

なぜかセツカグッズも着実に増えているような……。

最初に用意されていた物以外、服など、俺が買ったのもあるが、ハンカチやアクセサリーなどの小物は彼女が買っているみたいだ。

考えたらヤバイことになりそうだが、きっと下着もそうなんだろう。

普段の彼女が身につけないようなセクシーな……考えない。考えない。

それにしても……。

俺は部屋を見渡しため息を吐いた。

ツインとはいえ、好きな女の子と同じ部屋で寝るなんて有り得ない。

社長はともかく、彼女も一体何を考えているのか。

入浴シーンを見られた時から思っていたが、男とみられていないのだろうか。

なんの警戒心もない彼女を見ているとそう思う。

いくらセツカの衣装に馴染みがないからって、もう少し姿勢を考えて行動してほしいものだ。ヤバイと感じるアングルが何度もあった。あれは目の保養…いや、毒だ。

俺の理性がヤバすぎる。

俺が何度、円周率を唱えたか、君は知らないだろう?

今君が浴びているシャワーの音にさえ危ないというのに。

それを、それを……。

『明日は兄さんのベッドに潜り込んでみようかしら』

なんて!!

どれだけ俺の理性を試したいんだ!

無防備な彼女に頭痛がする。

どうも勝手に『兄をびっくりさせよう週間』を始めてしまったらしく、俺を驚かせようとあの手この手で迫ってくる。

俺が難無くそれをかわすのが気に入らないらしい。

だからだろう。

明日は強行手段に出るつもりのようだ。

先程シャワー室の前を通り掛かった時、偶然聞いてしまったのだ。

勘弁してほしい。

俺は酒を煽り、台本に目を通していた。

いつものように先に繭状態で眠って、横に張り付かれでもしたら理性が決壊してしまうからだ。

俺は今ヒール!カイン・ヒールだ!

自分に言い聞かせ、彼女が出て来るのを待った。




しばらくしてセツカがシャワーから出てきた。

ろくにに乾かしもせず、髪を濡らしたままだったセツカは、俺がベッドに座っていると一瞬戸惑ったようだ。

いつも先に眠る俺が起きているので驚いたのだろう。

「に、兄さん。珍しいね、起きてるの」

「ああ。そろそろ撮影が始まるからな」

「ねえ、読み合わせっていうんだったっけ?してあげましょうか?」

ボディーソープの匂いをさせて、セツカが擦り寄ってくる。

「いらない。お前は先に寝てろ」

「嫌!ツマラナイ!」

不満そうな抗議の声を上げ、セツカが俺を睨み付けた。

「そんな顔したって無駄だ。俳優のまね事なんてお前にはできない」

「そんなことないわよ!」

むっと脹れたセツカの顔が子供っぽくて可愛い。

頬を抓ろうと手を延ばしたところ、ふいにセツカが膝に乗り上げてきた。

「隙あり!」

手に持っていた台本を取り上げられ、俺は怒ったふりをした。

「セツ、返せ」

「いやよ」

「セツ、セツカ」

強引に台本を持つ手を引っ張ろうとすると、セツカはするりと逃げ……バランスを崩した。

「キャっ!」

座りこんだセツカの服が捲れ、太腿が大きく曝される。

「セツ……見えてるぞ」

「へっ?」

しばらくして、セツカは鼓膜が破れそうな程の絶叫を上げた。

その後セツカはトイレにこもり、俺はホテルのバーに向かった。




「黒のTバックはないだろう……」

バーカウンターで一人酒を煽り、俺は息を吐いた。先程見た光景が脳裏に蘇り、頭が痛くなってくる。

黒いレースで出来たそれは、際どい部分をかろうじて隠しているだけだった。おそらくあれが、彼女がイメージしたセツカが穿きそうなセクシーな下着なのだろう。

彼女が絶対身につけなさそうな感じだ。

どこで購入したのか。店頭で買う…のはなんとなく彼女らしくない気がする。あんなに卑猥でエロチックな下着を彼女が選ぶ訳ない。

誰かに頼んだ?誰に?まさか社長…な訳はないな。いくら社長が頼んだこととはいえ、まさか下着のことまで相談しないだろう。

だとしたら通販?いや、そんなものが届いている様子はなかった。

そう言えば普段はどこで買っているのだろう。彼女はきっとピンクとかチェックとか可愛い感じの物を穿いてそう……って、俺は何を考えてるんだ、俺!

変態か、俺は!

自己嫌悪に陥りつつ、どうしたものかと悩んでいると、突然背後が騒がしくなった。

「ちょっと酒呑もうって誘っただけだろうが!」

「お高くとまってんじゃねーよ!」

なんだ?喧嘩か?

人が苦しんでいる時に……。

ギリリと拳を握りしめたところで、聞き覚えある声がした。

「大事な用事があるから邪魔しないでって言ってんでしょ!」

振り向いた俺の目に写ったのは、派手なピンクの髪に黒のパンクルックを着た少女だった。

酔っ払いらしき二人の男が彼女の腕を掴もうとしている。

俺は立ち上がり、怒りを一旦鎮めてから彼女に近付いた。




「セツ……何してる」

「に、兄さん!」

俺が低い声で呼ぶと、セツカはホッとしたようだった。

「どうした?」

「この人達がアタシに相手してほしいんだって。アタシは兄さんに用事があるのに」

「そうか」

すっと目を細めただけで酔っ払いどもはビビって手を引っ込めた。更に俺が少し近寄っただけで膝をガクガク震わせている。

こんな連中、相手にする必要もない。

連中には目もくれず、俺はセツカの手を取った。

「部屋に戻るぞ」

「はーい」

素直に返事をして、セツカが俺の腕に絡んでくる。

少し腕が冷たくなっているのは、湯冷めしたせいだけだろうか。

部屋の前までそうしてくっついていたセツカだったが、部屋のドアの前にくると、ぱっと俺から離れた。

「セツ……?」




「さっき見たの……忘れて下さいね」

耳まで真っ赤にした彼女の顔は、セツカではなく、最上キョーコのものだった。

「勘弁してくれ……」

せっかく忘れていたのに……。

またもや脳裏に浮かんだ黒いレースに、俺は深いため息を吐いた。

ほんとに先が思いやられる……。

俺はカイン。カイン・ヒールだ!





<後書き>
コミックスにて、ヒール兄妹が本格始動ってことで、書いてみました。いや、書き始めていたのはその前からですが。馬鹿ですみません。
蓮がただの変態ですみません。
先月の日記でちらりと書いたと思いますが、セクシー下着。私はイメージできないので、研修で一緒だった同僚に聞いたら色々教えて下さいました。穴あきとかあるらしくて、恥ずかしすぎました。普通のお店にも置いてるらしいですが、それらしいお店の方が品揃えはいいらしいです。
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