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★◎「どうしても別れたくない」
2015年03月26日 (木) | 編集 |
「どうしても別れたくない」




『別れて下さい』

彼女の流麗な文字で書かれた書き置きに、俺はどうしようもなく落ち込んだ。

どうしたらいい?

どうしたら彼女をまだ繋ぎとめられる?

それとももう遅いのか?

彼女は俺に弁解する余地も与えず出ていってしまった。

言い訳ぐらいさせてほしかった。

せめて面と向かって別れを告げてほしかった。

それとも顔を見るのも嫌だった?

違うよね?

君はまだ俺を愛してるんだろう?

だから許せなくて、やり切れなくて、出ていったんだろう?

だからまだ話し合うことはできるはずだ。

キョーコ、君に会って話したい。

だから、別れるなんて言わないでくれ。

携帯に入れてあるキョーコの写真を見ながら俺は祈った。

部屋からはすでに彼女の荷物がなくなっている。

本気なのだ。

だから急がないと。

彼女の誤解を解いて。抱きしめて。愛してると告げよう。

俺は携帯の短縮ボタンを押した。

『お客様のご都合により、こちらの携帯にお繋ぎすることはできません』

冷たい音声に茫然とする。

なんだ?何がどうなってるんだ?

もしかして着拒されてる?

いやそんな馬鹿な。

彼女がそんなことするはずない。

それにまだ昨日の今日だ。

そんなはずない。

そう思うのに、何度かけても彼女の携帯に繋げることができない。

嘘だ。嘘だ。嘘だ。

背中に冷たい汗が流れ落ちる。

嫌だ。絶対。

別れるなんて。

キョーコと別れるなんてできない。

別れたら俺は生きていけない。

ようやく手に入れたのだ。

心から愛しいと思える相手を。

手放すなんてできない。

お願いだから、ずっと俺の側にいて。

キョーコ、君が好きだよ。

だから帰ってきて。

俺は着の身着のまま部屋を出た。

彼女の元へと急ぐ。

今日の仕事先はSTBで、ドラマの撮影に行っている。

もちろん顔パスで入り、彼女の控室まで通してもらう。

控室に彼女の姿はなく、監督と打ち合わせに行っているそうだ。

逃げられると厄介なので、俺が来ていることは黙っていてもらうことにした。

それが功を奏して、しばらくしたら彼女が戻ってきた。

台本に目を通しながら入ってくる彼女を俺は背後から抱きしめた。

「ふへっ?何!?」

ふいを突かれたのか彼女は裏返った声を漏らす。

「キョーコ、捕まえた」

「敦賀さん!」

彼女は驚いて、そしてはっとした。それから猛然と抵抗を始めた。

「放して下さい!」

「嫌だ。放さない。キョーコ、聞いて!」

「嫌です!聞きたくない。聞きたくない!」

嫌がって暴れる彼女を俺は問答無用で押さえ付ける。

端から見たらきっと俺が乱暴しているように見えるだろう。

それでもかまわない。

俺は必死だった。

「聞いて!お願いだから!」

「嫌!いや!!」

「昨日は誤解なんだ。俺が君以外を愛せる訳ないだろう!」

「嘘!いつだって貴方はそうやって嘘をつくんです!」

「俺がいつ嘘なんてついた?少なくとも君と付き合ってから君に嘘なんてついた覚えはないよ」

「嘘ばっかりなんだもの………」

彼女の瞳に涙が浮かぶ。

「俺が嘘?ついてるはずないだろう?」

大切な君に。

嘘なんてつけるはずがない。

「じやあ、どうしてキスなんて………」

「それは……その………」

もう言ってしまおうか。でもまだ俺は………。

「やっぱり、あの人が好きなんでしょ?あんなに愛しそうに見つめて………」

彼女の顔が歪み、ボロボロと涙が零れ落ちた。

「綺麗な人でしたもんね。私なんか敵うはずない………」

「キョーコ………」

泣かないでと涙を拭おうと伸ばした手を振り払われてしまった。

「触らないで下さい」

俺を睨むつける彼女に、心が折れそうになる。

「キョーコ。ほんとに違う。彼女とは確かにキスをした。でもあれは親愛のキスであって、その………」

「お付き合いする時、そういうのは仕方ないって諦めてました。でも……でも、昨日の人は明らかに違いました」

「キョーコ……信じて。君以外には俺は……」

「京子さん、出番です!」

続きを言おうとしたときちょうどキョーコを呼ぶ声がした。

「はい!今行きます」

俺は彼女を放し、腕を一本だけ取って言った。

「撮影終わるまで待ってるから」

俺の言葉を承諾したのかわからないが、彼女は勢いよく飛び出していく。

「はあ」

彼女の椅子に座り込み、思わず出た息は重かった。

「とにかく彼女が帰ってくるまでなんとかしないと」

どうやって誤解を解くべきか。

昨日の失態を、あの人はきっと笑っているだろう。

『未来の娘に、ちょっとした意地悪よ』

帰りがけにひらひらと手を振りながら、あの人は帰っていった。

『だって私の大事な人の心を掴んでるんですもの。それも二人も』

「ズルイと思わない?」なんて笑いながら言って、なんてひどいんだ。

こっちはそのせいで今大変なことになっているのに。

むしろ彼女に対する意地悪じゃなく、俺に対する嫌がらせだろう。

まだ俺が彼女に打ち明けられていないのが気に食わないのか、あの人達は日本に来る度彼女に接触しようとする。

でもまさかここまで揉めるとは思っていないんだろうな。

『好き。好きよ。だーい好き』

『はいはい。わかってます。俺もです』

酔っ払ったあの人をホテルの部屋まで送り、ねだられるままにキスしてしまった。

まさか世話役を任されていた彼女にそれを目撃されるなんて。

昨日のことを思い出すと胃が痛む。

また溜息をついたところで携帯がなった。

『よう、蓮!せっかく休みにしてやったのにもう帰ったんだって』

聞こえてくる社長の声にうんざりした。

「社長、なんですか?俺今忙しいんですけど」

『仕事じゃないだろうが!は、はあん。さてはまたなんかあったな?』

「なんかじゃありませんよ。なんかじゃ」

ほんとにいい迷惑だ。

だいたい社長だってあの人の協力者だ。

『ははは!また奴に聞いてみるとするか!それはそうとマリアがお呼びだ』

「すみませんが、今日はそれどころじゃないんで断っていいですか?」

『大変そうだからな。わかった、わかった。くくくっ!何があったかしらんが仕事に支障がないように早くなんとかしろよ』

最後まで笑いながら社長は電話を切った。

なんだかみんな俺で遊んでないか?

俺がこんなに悩んでいるのに。

ほんとにもう、どうしたらいいんだ!

頭を抱えて俺は唸った。

彼女は逃げずに控室に帰ってきてくれるだろうか。

それも段々不安になってきた。

時間が刻々と過ぎていく。

時計の音だけがやけに大きく感じる。

彼女になんて言えばいい?

好きなのは君だけなのに。

キョーコ、俺が愛してるのは君だけだよ。

それだけは信じてほしい。

だから別れるなんて言わないで。

携帯の写真にキスをした。

笑っている君に。

俺はもう一度キスできるだろうか。




〈あとがき〉
お誕生日おめでとうございます!!

ヘタ蓮?ウザ蓮?

私もこんな蓮ならウザイなあ。て、自分で書いてるのに。でも書き直しはなしの方向で!

あの人はマミーです。きっとこんなキャラじゃない。でもクーパパがあれだからありかなと。

はたしてキョーコは帰ってくるのか。はは!

ちなみに今年は一番乗りで送れたかな?



>サリーちゃんからいただいたバースデーSSです。
ヘタレな蓮をリクエストしたらこんなにぶっ飛んだ設定を書いてくれました。むしろそのまま別れてしまえ!なんてね(笑)。この時はまだ熱もなかったのでただ爆笑してました。
ジュリママまでありがとう!
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